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受賞・表彰

DATE2024.04.09 #受賞・表彰

塩見美喜子教授が令和6年度文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞


塩見 美喜子教授

理学系研究科生物科学専攻の塩見美喜子教授が、文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞されました。大変おめでとうございます。
受賞テーマは「生殖能維持に不可欠なpiRNA機構の分子機序の研究」です。

DNAは遺伝子の本体であり、「遺伝学」として研究の歴史もRNAより長いです。しかし実はDNAは単なる遺伝情報の記録装置。それに比べてRNAは、「小さなRNA」が発見されてから、次から次へと新しい機能が見つかっています。特にRNAが遺伝子の働きを抑える「RNAサイレンシング」は生命機能に大変重要です。そのホットな分野の中で、塩見先生はトップランナーとして走り続けています。
RNAサイレンシングとは、20-30塩基長の小さなRNAが引き金となる遺伝子発現を抑制する機構です。その代表例としてRNA干渉があります。RNA干渉はウイルス感染などから生体を守る「免疫機構」として機能します。
塩見先生らはショウジョウバエの遺伝学的・生化学的解析を駆使し、生殖組織特異的にトランスポゾンを抑制し、そのゲノムが破壊されないないように保護する小分子RNA(piRNA)の働きを解明しました。piRNAの働きは生殖能力の維持に必須なのです。

本研究は不妊治療などに効果が期待できる新薬や診断システムの開発、ひいては我が国が抱える「少子化問題」の解決に寄与する可能性もある重要な研究です。

令和6年度文部科学大臣表彰
https://www.mext.go.jp/content/20240409-mxt_sinkou02-000035075_1.pdf

(文責:定量生命科学研究所 教授 小林 武彦)