DATE2022.01.20 #イベント
「海の営み、星の営み、人の営み
理学が駆け抜ける」
私たちが普段何気なく目にしている水や星、アニメ。これらの身近な分野について、現在理学部ではどのような研究が進められているのでしょうか。
今回の講演会では地球科学、天文学、情報科学についての最新の研究をご紹介しつ つ、未だ解明されていない謎や今後の課題についてご紹介いたします。
▼当日のスライド資料(PDF)公開は終了しました。
- 梅田 秀之(天文学科 准教授)
- 福里 司(情報科学科 助教)
講演者・講演内容
月が導く深海の流れ~地球を巡る深層海洋循環の謎への挑戦~
日比谷 紀之(地球惑星物理学科、地球惑星環境学科 教授)
極域で強く冷却され沈降した深層水は、約1500年もの歳月をかけて全球を巡った後、インド洋や北太平洋で湧昇し、極域へと戻っていくことで、ベルトコンベアのような深層海洋循環を形成しています。循環に伴う低緯度から高緯度への熱輸送は、地球の温和な気候の形成に重要な役割を果たしています。この循環の維持に必要な深層水の湧昇には乱流混合による表層から深層への浮力注入が不可欠とされていますが、毎秒2000万トン沈み込むとされる深層水を全て表層に湧昇させるだけの乱流混合は未だ見つかっていません(Missing Mixing)。本講演では、この乱流混合の形成に関わる月(潮汐)の重要な役割とともに、Missing Mixingの謎への挑戦を紹介します。
ベテルギウス 〜オリオン座の赤色超巨星の寿命、運命〜
梅田 秀之(天文学科 准教授)
ベテルギウスは冬の大三角の一角を成す有名な1等星でありますが、数年前に急速に減光して一時2等星に成ったことなどから、すぐにでも超新星爆発を起こすのではないかと新聞でも騒がれました。その後明るさが元に戻り、今後10万年くらいは爆発しないであろうという研究者もいるため、すっかり騒動も収まったように見えます。本講演では恒星の進化について一般的な説明をした後、最新の理論計算と観測とを比較することにより、ベテルギウスの寿命や運命についてどのようなことが言えるのかを解説します。
魅力的なアニメ作品を作るためのデジタル技術
福里 司(情報科学科 助教)
物理的な矛盾を含むアニメ作品を制作するには,デザイナが一枚一枚の絵を描く方法が広く用いられています。しかしこの方法は、絵を描くためのデザイナ自身の技術に加え、多大な作業時間と労力が要求されてしまうワークフローに関する課題が存在します。また、デザイナの技術はいずれも経験的なもので、将来的には技術そのものが失われてしまう可能性があります。そこで本講演では,コンピュータ・グラフィックス(CG)分野とヒューマン・コンピュータ・インタラクション(HCI)分野の側面から、アニメ業界の技術の定式化・システム化を目指した研究事例について紹介します。
挨拶
大学院理学系研究科長・理学部長 星野 真弘 教授
開催日
2022年3月22日(火)
時間
14:00~17:05
※理学部1号館講義室よりライブ講演を行います。
当日はこちらよりご視聴ください。
理学系研究科・理学部YouTubeチャンネル
参加料
無料(事前申込み不要。どなたでもご参加いただけます)
定員
なし(一般の方はもちろん、高校生・大学生もぜひご参加ください)
配信
- 質疑応答について:当日はSlidoを利用して、各講演後、質疑応答の時間を設けます。当日の配信画面でお知らせするアクセスコードをSlidoのウェブサイトに入力し、ご参加ください。
- 当日は理学部YouTubeチャンネルよりご視聴いただけます。ぜひ 『チャンネル登録』 してお楽しみください。
主催
東京大学大学院理学系研究科・理学部
連絡先
東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室
TEL | 03-5841-7585 |
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kouhou.s@gs.mail.u-tokyo.ac.jp |