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Press Releases

DATE2024.04.12 #Press Releases

非線形トポロジカル物質の基本原理を解明

――頑健性と柔軟性を併せ持つデバイスの設計原理に向けて――

東京大学大学院工学系研究科

東京大学大学院理学系研究科

科学技術振興機構

発表概要

東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻の曽根和樹大学院生(研究当時)、江澤雅彦講師、吉岡信行助教、沙川貴大教授、および同大学大学院理学系研究科物理学専攻の蘆田祐人准教授らによる研究グループは、二次元的な非線形物質において新たなトポロジカル指数を導入し、それが試料端に局在するエッジ状態と対応するというバルク・エッジ対応が成り立つことを理論的に示しました。さらに非線形系に特有な現象として、非線形性の強さに依存してトポロジカル相が変化する相転移の存在を明らかにし、それが今回導入したトポロジカル指数で予言できることを示しました。従来のトポロジカル物質の研究はほとんどが線形系に限定されていたのに対して、本研究はそれを非線形系へと拡張する大きな一歩であると言えます。さらに今後、トポロジーの効果によるノイズに対する頑健性と、非線形性の効果による柔軟性を併せ持ったデバイスなどの開発につながることが期待されます。 
本研究成果は、2024年4月11日「Nature Physics」に掲載されました。


図:非線形性によって誘起されるトポロジカル相転移。波の媒質である黄色の粒子が多数集まることにより生じる非線形効果によってトポロジーの変化が実現する。

詳しくは、東京大学大学院工学系研究科 のホームページをご覧ください。

発表雑誌

雑誌名
論文タイトル
Nonlinearity-induced topological phase transition characterized by the nonlinear Chern number