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受賞・表彰

DATE2023.06.22 #受賞・表彰

大塚孝治名誉教授がフンボルト賞を受賞


大塚 孝治 教授

 

物理学専攻の名誉教授である大塚孝治先生がフンボルト賞を受賞されました。フンボルト賞はドイツの最も栄誉ある学術賞であり、自然科学から人文科学まで幅広い研究分野において重要な業績を挙げ、今後も最先端での活躍を期待される国際的に著名な研究者に授与されるものです。

現代的な原子核理論は湯川秀樹先生のπ中間子交換による核力研究に遡る長い歴史を誇りますが、中間子交換が生み出す核力にはテンソル力と呼ばれる核子スピンの向きに依存した非中心力成分が含まれており、原子核構造におけるテンソル力の役割の解明は積年の課題でした。大塚先生はモンテカルロ殻模型による大規模数値計算手法を発展させるとともに、テンソル力にまつわる革新的な研究を牽引されてきました。特に陽子や中性子が過剰となるエキゾチック原子核で、原子核の殻構造がテンソル力の効果等により変化する殻進化理論を提唱し、新しい原子核の「魔法数」を予言されました。この殻進化理論は今日では世界中のRIビーム核物理研究者たちの指針となっています。また最近では、原子核の楕円体変形を自己組織化という観点から整理し直し、集団的な運動モードと一粒子状態エネルギーの競合をモノポール力が制御するメカニズムを発案され、多くの教科書が当たり前のように書いている回転バンドの解釈を完全に刷新されています。このように従来の常識を塗り替える概念を創生され、原子核研究の新パラダイムを切り拓いてこられた大塚先生の研究は国際的に極めて高く評価されています。

この度のご受賞を心からお祝い申し上げるとともに、今後も益々お元気にご活躍されますことを祈念致します。

アレクサンダー・フォン・フンボルト財団ホームページ(英語)
https://www.humboldt-foundation.de/en/apply/sponsorship-programmes/humboldt-research-award

 

(文責:物理学専攻 教授 福嶋 健二 )