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理学クラスター講義

大学院教育高度化プログラム(学部・研究科共通科目)

理学クラスター講義Ⅴ(Sセメスター2単位)

今年度の理学クラスター講義は、オンライン講義(Zoom)を実施します。
詳細はUTASのシラバスを参照してください。

キーワード

「測る」

使用言語

日本語

講義の趣旨

本講義は、あるキーワードで表されるテーマを各分野がどのような問題として捉えているのか紹介し、その問題解決の方法を学生が理解することによって新たな知見を広めるとともに、各専門分野での最先端の問題に触れることを目的としている。

日程及び講義概要

日時 担当教員
(専攻)
講義題目・講義概要
8月1日(金)
10:00-12:00
左近 樹 准教授
(天文)

「赤外線で宇宙を正しく測るには」

宇宙空間には、銀河や星々の他に、電離ガス、原子ガス、分子ガスの他、固体微粒子(ダスト)が存在する。それらの物質を利用して、様々な銀河の星間物理/化学環境を測る上で、赤外線天文観測は有効な手法の一つであり、現代の天文学に大きな貢献を行って来た。
しかしながら、実際に星間ダストを手にすることは難しいため、実験室宇宙物理学の手法で星間ダストの模擬物質を実験室で合成し、得られた物性データと観測データを比較することで、星間ダストの物質同定を狙うことが必要となる。
本講義では、星間ダストを用いて、銀河の星間物理/化学環境を測るための精度の良い物指しを得るための研究の歴史と最新の挑戦について紹介する。
8月1日(金)
13:00-15:00
相川清隆 准教授
(物理)

「レーザーによる様々な計測」

レーザーは自然界にはほぼ見られない特殊な光です。このため、その特殊な性質をうまく利用することで、様々な新しい応用が生み出されてきました。身近なところではレーザーポインターや、医療におけるレーザーメスといった利用例を知っている方も多いと思います。
この講義では、レーザーのもつ高いコヒーレンスを利用することで、時間や物体の大きさ、物質の内部構造、といった様々な対象を高精度に測定する技術やその原理について紹介します。
8月1日(金)
15:15-17:15
中村 哲 教授
(物理)

「粒子加速器を使って「視て」、「測る」フェムトメートルの世界」

あらゆる物質中に存在する原子核は、ナノメートルのさらに100万分の1、フェムトメートルサイズの超高密度量子多体系であり、陽子と中性子から構成されています。さらに、陽子や中性子も素粒子ではなく、クォークやグルーオンといった内部構造を持つことが明らかになっています。この極微の世界を「視て」、「測る」ためには、通常の顕微鏡では不十分で、粒子加速器という大型装置が必要です。この講義では、フェムトメートルの不思議な世界と、それを研究するための粒子加速器について解説します。
日時 担当教員
(専攻)
講義題目・講義概要
8月4日(月)
10:00-12:00
諸田智克 准教授
(地惑)

「月・惑星を測る:太陽系探査のこれから」

太陽系天体の起源や進化の過程を読み解くには、軌道上や天体表面での様々な計測により、対象となる天体についての多角的な情報を取得することが必要となる。本講義では、太陽系探査における計測手法やそれにより得られる科学成果について紹介する。
8月4日(月)
13:00-15:00
岩崎純史 教授
(化学)

「時間領域計測による原子・分子エネルギーの精密決定」

我々は、原子や分子の運動の時間変化を計測する方法を用いて、原子・分子のエネルギーを精密に決定する計測法を開発している。一見、運動の時間変化を精密に測定することと、状態のエネルギーを精密に決定することは相反することに感じるかもしれないが、発想の転換によって実現した原子・分子の精密分光法について紹介する。
8月4日(月)
15:15-17:15
田中愛幸 准教授
(地惑)

「あなたは今ここにいる ー地球上での位置を宇宙から測るために必要なものー」

GPSを用いてナビゲーションをしたり、定点監視によってプレート運動や地震に伴う地殻変動をmm精度で測ることができるようになるまでの理学的・技術的背景を概観します。
日時 担当教員
(専攻)
講義題目・講義概要
8月5日(火)
10:00-12:00
上村想太郎 教授
(生科)

「生体分子1分子を測る」

生命は階層構造で成り立っている。臓器は多くの種類の細胞集団が複雑に相互作用することによってその機能が維持されており、細胞と分子の関係もまた同様である。近年、細胞や分子を1個単位で測定する技術が開発されたことで個々の細胞や分子はすべて同じようなふるまいをするのではなく、それぞれ個性があることがわかってきた。なぜ個性が存在するのか、その個性が集団に及ぼす影響はどのようなものなのか、分子1個を測定する技術が生命科学分野で欠かせないDNAシーケンサー技術へと発展した歴史も踏まえて生命を分子の世界で考える。
8月5日(火)
13:00-15:00
久保健雄 教授
(生科)

「ハチ目昆虫に見る行動と脳の進化」

多くの方は「ハチ」と言えば、ミツバチやスズメバチのように巣(社会)を作り、人を刺す虫、と言う印象をおもちではないだろうか。ところが現存のハチ目昆虫には原始的な単独性から寄生性、営巣性、そして進化した社会性と言った多彩な行動様式が見られ、単独性ハチの多くは人を刺さない。では、こうしたハチ目昆虫の行動進化を支えた脳の進化を「測る」ことはできるだろうか?この講義では、この問題に関する最近の知見をご紹介したい。

場所

オンライン講義(Zoom)を実施します。
詳細はUTASのシラバスを参照してください。

履修登録

履修を希望する学部生及び大学院生は、Sセメスターの履修登録期間にWEB上(UTAS)で申し込んでください。【科目番号:0590035(学部生)/35620-1005(大学院生)】

WEB上で履修登録をしなかった場合には、 開講初日の前日午前中まで(早め)に理学部1号館東棟2階275号室の学務課カウンターにある履修登録用紙により申し込んでください。

成績評価

各講義のレポートまたは小テストの評価により行います。各講義は、講義約90分、レポートまたは小テスト約30分で実施します。