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理学クラスター講義

大学院教育高度化プログラム(学部・研究科共通科目)

理学クラスター講義Ⅳ(Sセメスター2単位)

今年度の理学クラスター講義は、オンライン講義(Zoom)を実施します。
詳細はUTASのシラバスを参照してください。

キーワード

「階層」

使用言語

日本語

講義の趣旨

本講義は、あるキーワードで表されるテーマを各分野がどのような問題として捉えているのか紹介し、その問題解決の方法を学生が理解することによって新たな知見を広めるとともに、各専門分野での最先端の問題に触れることを目的としている。

日程及び講義概要

8月1日(木)

時間 講師・講義題目
10:00-12:00

川口喬吾准教授(物理)
「生命現象の中の階層構造と物理学」

私たちの身体は多種多様な生体分子や細胞の複合体ですが、そこに現れる複雑な生命現象も見方を変えると多体系物理の枠組みで理解できることがあります。多体系物理では、その名の通り多数の要素の集合によってマクロな現象が創発する様子を研究しますが、その要素としては電子や分子だけでなく細胞を連れてくることもできます。この講演では、細胞の集団運動や成体組織のターンオーバーを例に、物理学の視点から見た生命現象の階層性について紹介します。
13:00-15:00

LIANG Haozhao准教授(物理)
「Nuclear physics and the origin of elements」

Atomic nuclei, composed of protons and neutrons, are typical quantum many-body systems and represent one fundamental hierarchy of matter. The properties of atomic nuclei also play crucial roles in the origin of elements in the universe via astrophysical nucleosynthesis. In this lecture, we will start with an overview of nuclear physics and then focus on the relevant research frontiers.
※この時間帯のみ、講義は英語で行いますが、わかりやすい英語で講義します。質問等は日本語で対応します。
15:15-17:15

嶋作一大准教授(天文)
「宇宙の階層」

惑星、恒星、銀河など、宇宙にはさまざまなスケールの天体があります。宇宙は階層をなしているともいえます。どうしてそのスケールに天体が存在するのでしょう? いつから存在するのでしょう?この講義では宇宙の階層を概観するとともにその起源や進化を考察します。

8月2日(金)

時間 講師・講義題目
10:00-12:00

三浦裕亮准教授(地惑)
「気象にみられる階層性」

晴れ・曇り・雨・雪など日々の天気予報でお馴染みの気象には、雨粒の集合が雲であり、雲の集合が線状降水帯や台風であるように、複数の時空間スケールを包含する階層構造が存在している。気象と気候をつなぐ大気現象の階層性について概説する。
13:00-15:00

一杉太郎教授(化学)
「物質の階層構造と機能」

我々の身近なデバイス(たとえば、半導体やリチウムイオン電池等)では、階層構造の構築が極めて重要である。様々な長さスケールで物質を作り込むことによって「機能」が発現する。本講義では物質科学の最前線を紹介するとともに、機械学習とロボットを活用して機能が発現するメカニズムに迫る研究について概観する。
15:15-17:15

佃 達哉教授(化学)
「超原子の化学」

貨幣金属(金、銀、銅)の原子が100個以下程度集まってできた金属クラスターでは、原子軌道に似た軌道に電子が収容されていることから、「超原子」と呼ばれている。本講義では、表面を有機配位子で化学的に修飾された超原子の化学合成、および構造と物性の基礎について概説する。

8月5日(月)

時間 講師・講義題目
10:00-12:00

榎本和生教授(生科)
「脳が創り出す主観的世界を考える」

脳はときに主観的な情報を生み出す予想装置(prediction machine)である。そう考えると、我々が日頃見ている世界は、脳が作り出した虚像であるとも言える。このような脳の仕組みを理解することは、ヒト脳の情報処理を模した次世代型AIを発想する上でも重要である。
13:00-15:00

塚谷裕一教授(生科)
「植物を見る」

植物を知りたいと思ったときのアプローチは何段階もある。私は子どもの頃から植物が好きで植物学者になったため、植物を知るための方法は何でもやってみる方針でこれまで研究をしてきた。大学院では発生遺伝学の訓練を受けたが、大学でポジションを得てからはヒマラヤやボルネオのような遠隔地でのフィールドワークも経験した。自分ではできなくても興味のある学生には数理生物学も使ってもらっているし、メタボロミクスや一細胞RNAseqのような新しい技法も取り入れてきた。そんな「こだわらない」研究の例を紹介する。

場所

オンライン講義(Zoom)を実施します。
詳細はUTASのシラバスを参照してください。

履修登録

履修を希望する学部生及び大学院生は、Sセメスターの履修登録期間(4/5-4/19)にWEB上(UTAS)で申し込んでください。【科目番号:0590034(学部生)/35620-1004(大学院生)】

WEB上で履修登録をしなかった場合には、7月31日(水)までに理学部1号館東棟2階275号室の学務課カウンターにある履修登録用紙により申し込んでください。

成績評価

各講義のレポートまたは小テストの評価により行います。各講義は、講義約90分、レポートまたは小テスト約30分で実施します。