search
search

北之園 拓

北之園 拓助教
KITANOSONO Taku
理学系研究科 化学専攻 化学科
メールアドレス tkitanosono@chem.s.u-tokyo.ac.jp
電話番号 03-5841-4644 | 24644(内線)
居室 化学西館3階2303号室
外部リンク

研究分野

有機合成化学

研究テーマ

水中における有機反応の展開

研究内容の概要

人類は医薬品や化成品の効率的かつ選択的合成に有用な金属触媒を多数開発してきたが、その多くは水の配位等により失活してしまう。反応の鍵となる活性中間体は少量でも水が存在すると分解してしまうものも多い。そして大半の反応基質は水に不溶である。また水の水素結合能や自由度の高さは、立体的相互作用に由来する不斉構築などの立体制御を困難にする。故に殆どの有機反応は僅かな湿気をも排した厳密な無水条件で行われており、有機溶媒の使用を前提として従来の有機化学は体系化されてきたと言える。一方、水は自然界に於いて動植物の生体の主たる構成成分である。自然の叡智たる酵素の存在は、物質創製の手段として有機溶媒が必要ではない事を示唆している。<font color="green"><b>「無水条件」という軛から解放された有機化学</font></b>に期待される化学変化の可能性は未知数である。例えば、高い水素結合能や誘電率など特異な性質によって、水中で記述される分子挙動は有機溶媒中とは大きく異なる事が予想される。そのような<font color="blue"><b>水中環境に期待される有機化学の潜在性</font></b>をクローズアップし、<font color="red"><b>有機溶媒中で涵養・体系化されてきた従来の有機化学とは全く異なる反応性や選択性</font></b>をアウトプットする独自の有機化学を展開することを目指している。

キーワード

反応化学、水中反応場、触媒作用、水系反応、合成化学、不斉合成、ミセル