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居室 | 理学部1号館534 |
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研究分野
古生物学・進化発生学
研究テーマ
研究内容の概要
進化史では生物の形態は一律に変化してきたのではなく、変化の停滞と急速な変化を繰り返してきたということが、化石記録から経験的に知られています。長い時間軸を通して、進化速度や進化が創出する多様性は均一ではなく、系統的位置によって「進化しやすさ」は変わるようなのです。このような進化パターンは、適応(外部要因)と発生拘束すなわち「発生システムの特性に起因する進化的変化の方向性や範囲への制限」(内部要因)の両方によって規定されているはずです。ところが、これまでの古生物学研究では外部要因に重点が置かれ、発生拘束が進化パターンにどのように影響してきたかについてはまだほとんど理解が進んでいません。一方、進化発生学研究にも、進化的変化の「間引き」である絶滅について考慮してこなかったという問題があります。 特に、大量絶滅が発生拘束を生み出す下地となった可能性や、大量絶滅後の生態系回復期に急速な多様化を遂げたグループが他のグループよりも「進化しやすい」発生システムの特性を備えていた可能性については、人跡未踏の研究領域です。
これらの問題を解決するためには、地球環境変動のような外部要因との関連を解明することに加えて、現生生物を用いた胚発生の比較解析や発生過程に擾乱を加える実験を行うことで発生拘束の実体を明らかにしていく必要があります。後者の理解は、近年飛躍的に進展したゲノム科学と古生物学の架け橋となる上に、生物進化が地球環境変動によって受ける影響をより正確に予測できることにつながるでしょう。そこで私は、外部要因と内部要因の両方を統一的に扱う学際的研究の開拓を目指し、主に以下の研究を推進しています。
(1) 脊椎動物の骨格筋、特に四肢筋の進化
(2) 脊椎動物の呼吸器官の進化
(3) 比較形態学を基にした化石種の解剖学的復元
研究手法は、化石標本の精密解析(シンクロトロン放射光X線マイクロCT等)、および遺伝子〜細胞レベルの発生学実験を軸とします。その他に、進化パターンの把握に必要な化石記録を集めるフィールドワークも展開します。また、国際共同研究も積極的に進めています。
キーワード
古生物学、進化発生学、化石、胚発生、脊椎動物