西村 亘生特任助教
NISHIMURA Koki
理学系研究科 化学専攻 化学科
メールアドレス | nishimura@chem.s.u-tokyo.ac.jp |
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電話番号 | 03-5841-8061 |
居室 | 化学本館1305 |
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研究分野
光化学、量子生命化学、磁気共鳴
研究テーマ
動的スピン化学に基づく新材料開発と生命科学への展開
研究内容の概要
スピンは電子や原子核などあらゆる粒子が持つ量子的性質です。一方で大抵の有機分子は閉殻分子であり、反平行な向きのスピンをもつ電子同士が対になって、見かけ上は打ち消されてスピンに由来する特性が雲隠れしてしまいます。一方で、分子を励起したり電子移動を起こすと、過渡的に生じたスピンが反応ダイナミクスに関与し、磁場による反応収率の変化など、時に古典力学では説明のつかない不思議な現象を見せてくれます。こうした現象は、多くの場合で明瞭ではないものの確かに偏在しており、特に自然界では過渡的なスピンの性質がうまく組み込まれ、鳥の磁気感覚などの機能に結びついているだろうという説が有力です。このような「動的スピン化学」に着目し、積極的に活用して新たな機能を持つ材料開発に挑戦しています。より具体的には、過渡的な電子スピンを使い核スピンを操作して、磁気共鳴感度を飛躍的に向上させる分子を開発しています。将来的にはこれまで観測できなかった微量の分子をMRIで可視化したり、細胞内等の特殊環境中で特定の分子を特異的にNMRで検出する手法を開発することで、生命科学への貢献を期待し研究をしています。
キーワード
スピン超偏極、光電子移動、ラジカル対、磁場効果、量子センシング