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学生たちの声

SVAPを最初の一歩に

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−バイオテクノロジーで
拓く未来−

生物情報科学科4年

やまぐち なおと

山口 尚人

TO

トリニティーカレッジ(ダブリン大学)

アイルランド

大学を決めるきっかけ

東京大学への進学を決めた理由は、専門分野の選択を2年次に行える制度の存在でした。高校時代は、電気工学、航空宇宙、プログラミングへの興味があって、工学系への進学を漠然と考えていましたが、確固たるものはありませんでした。そんな中で、浪人していたときにたくさんの本を読み、視野を広く持って学ぶことの重要性を知ったことで、多様な選択肢のある東京大学進学への想いを強めました。生物情報科学科への進学は、前期教養の2年間の経験を通じて、生物学と情報科学分野の可能性とワクワク感に惹きつけられたからです。特に生命科学分野への興味は、山中伸弥先生の本や「サピエンス全史」がそのきっかけとなりました。

プログラムへの参加

海外での研究生活に興味があったわたしは、3年生の冬、理学部の学生国際派遣プログラム(SVAP*)を利用し、アイルランドのトリニティーカレッジ(ダブリン)に滞在しました。分子進化学の研究をおこなうイーファ・マクライサット先生のもとで、遺伝子重複と遺伝子制御ネットワークの進化の関係性の研究を行いました。その関係性を計算機的に調べるモデルを考案し、プログラムによるシミュレーションを行って、そのデータを解析しました。

現地での研究や勉強

現地では、学問への理解と英語力の不足で苦労しましたが、更なる学びと英語力向上への意欲に繋がりました。誕生日会やボードゲームパーティーを通じて、先生や研究室の仲間との理解を深め、楽しく過ごすことができました。この研究室のアットホームな雰囲気をわたしはとても気に入っていました。一方で、雨が多く寒い時期だったことから沈んだ気持ちになることもあって、慣れない環境でのメンタル管理も貴重な経験だったと思います。

幸運にも研究プロジェクトを国際学会で発表する機会を得ましたが、コロナ禍の影響で中止になってしまいました。それでもこれらの経験を通じて、遺伝子制御ネットワークへの興味を深め、現在の卒業研究にも繋がったと思います。

今後の目標

生命科学と情報科学の融合分野の重要性を深く認識し、バイオテクノロジーを通じて世の中に貢献するような研究をしたいと思っています。現在はその基礎となる細胞生物学の研究をおこなっています。特に、バイオテクノロジーの一例として培養肉やリプログラミングの研究に興味を持っており、基礎研究を深め、新しい分野を開拓していきたいと思っています。

メッセージ

SVAPを通じて得た経験は、以降の研究生活や進路選択に役立っています。特に研究室の下調べやメールの書き方の工夫もSVAPへの応募を通して学び、海外の大学院への出願にとても役に立ちました。SVAPは、何の実績も経験もない学部生を金銭的に強くバックアップしてくれる素晴らしいプログラムです。これを読んでいる後輩にも、SVAPや同様のプログラムを見つけて、どんどん挑戦してほしいと思います。

SVAPへの応募にあたって、学科の教員や先輩に大いに助けて頂きました。自ら積極的に意欲を伝え、行動し、臆することなく周りの人を頼ることが、自分のやりたいことを実現する近道だと思います。自分が目指していることをすでに経験している人がいればその人に聞くのが一番です。少しでも興味がある方は、わたしやほかのSVAP経験者に連絡してみて下さい。喜んでサポートします。

*Study and Visit Abroad Program

※2020年取材時 文/武田加奈子、写真/貝塚純一

生物情報科学科4年
YAMAGUCHI Naoto
山口 尚人
2016年私立栄光学園卒業、2017年東京大学に入学。理学部3年次にSVAPでアイルランドのトリニティーカレッジダブリンで研究生活を経験。2020年より理学部生物情報科学科木立研究室に所属。
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