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活動報告

活動報告(2017年度)


2017年12月27日~2018年3月26日
チリカトリカ大学学生が地震研究所で3ヵ月間の研修

2017年夏に本プログラムに参加したチリカトリカ大学の学生1名が、本学地震研究所・地震火山情報センターの佐竹教授の指導の元、2度目の研修を実施しました。学生は、チリ沿岸における津波エネルギーの発展特性を研修テーマとして、最近数年間にチリ沿岸で発生した地震による津波波形記録のスペクトル解析,ウエーブレット解析などを行い,沿岸における津波エネルギーの時空間的特徴を調べました。学生はチリで津波研究を行っており,観測された津波波形の解析についてさらに多くのノウハウを持つ本学地震研究所において解析手法を習得し,その解釈についても議論し,自身の博士論文の一部とする予定です。
学生にとって滞在中の一番の思い出は、受入担当の佐竹教授や研究室メンバーとの共同作業だったとのことです 。

地震研究所での受入学生
研究室の学生らと昼食をとる学生(左端)
休日は文化施設を訪れた


2018年3月14日~3月21日
本学学生がチリのパタゴニアでフィールドワークを実施

生物専攻の学生1名が南部パタゴニア地方でのフィールドワークに参加し、本学理学系研究科長と理学系研究科日光植物園の教員らも同行しました。日本の植生に比較するとまったく異質な、寒冷地に広がる常緑広葉樹林という景色に感銘をうけた様です。学生は、ナンキョクブナ3種の性質の違いを明らかにするために、ナバリノ島の各所で、各種の生育地での光環境や優占度、成長率を計測し、葉と枝を採取して、葉のクロロフィル濃度、厚さと材の密度を計測しました。データ採取を順調に実施して、帰国後にデータ解析を行ない、論文作成に取り掛かっているとのことです。
学生からは、現地の先住民について事前知識があれば文化的な側面からの生態の理解が出来てより楽しめたかもしれないとの感想も聞かれました。また、スペイン語圏の広さを改めて実感し、今回習得した初歩的なスペイン語を深めることで英語の通じない地域に住む人々と交流する手段がひとつ増えるだろうと感じたそうです。

生物多様性施設での派遣学生
オモラパークでの本学理学系研究科長(右から4人目)と派遣学生(右から3人目)
パタゴニアの雄大な自然


2018年2月27日~3月12日
本学天文専攻学生とチリカトリカ大学生がチリのLa Silla観測所で実習

本学学生1名とチリの学生3名に本学天文学教育研究センター峰崎岳夫准教授とチリカトリカ大学Leonardo Vanzi准教授が引率して、チリカトリカ大学の運用する望遠鏡に本学が開発した補償光学装置を搭載し、実際の星の光を使った観測実習を行いました。学生らは、天文観測用の装置の基礎技術を学ぶと共に、本観測により光学理論的な限界に迫る星像を得ることに成功しました。

なお本実習は、本事業予算に加えて、戦略的パートナーシップ大学プロジェクト、理学系研究科大学院学生国際派遣プログラム(GRASP)、チリカトリカ大学の科研費の支援を受けて実施しました。

研究成果:
補償光学装置により1m望遠鏡の限界に迫る角度分解能を達成
(東京大学大学院理学系研究科天文学教育研究センター)

Nuevo instrumento corrige imagenes astronomicas afectadas por la atmosfera(Spanish)
(Pontificia Universidad Catolica de Chile)

La Silla観測所での実習の様子
本学学生(左)とチリカトリカ大学の学生


2018年2月8日~3月8日
本学学生がサンパウロ大学のResearch Center for Gas Innovationで研修

機械工学専攻の学生1名がサンパウロ大学のResearch Center for Gas Innovationに所属して分子動力学計算に関する研究を行いました。日本で行っていた分子動力学シミュレーションの基礎を勉強し,その計算に用いられる様々な手法を学んだそうです。滞在中は、現地の方に様々な教授を紹介していただき、実験装置、行っている研究の概要などの説明をしていただいたことや自分の行っている研究に関して議論できたことが印象深かったようです。学生からは、学業の面だけでなく、文化の違いなどを通して得られた経験が今後の人生に活かせると共に、具体的にはさまざまな物事に対して、今までとは違う価値観をもって、新たな視点から多角的に捉えられるようになったとの感想が聞かれました。

派遣学生(左)とResearch Center for Gas Innovationの研究者


2018年1月16日~3月15日
2018年2月26日~3月13日
チリ大学電気工学の学生3名が天文学と航空宇宙学の研究室に所属

チリ大学より電気工学専攻の学生3名が来日しました。1名は東京都三鷹市にある天文学の研究施設でデジタルキャリブレーションの試験を行ない、2名は工学系研究科航空宇宙工学専攻の中須賀・船瀬研究室で指導を受け、本学の衛星への送信実験に成功し、チリに衛星への通信装置を持ち帰りました。学部生である2名は、修士課程に進んでも、航空宇宙工学の研究を続けていく意思をさらに強く持ったそうです。
天文施設で研修を実施した学生は、滞在中に航空宇宙工学の研究室を訪問し、すでに研修を開始していたチリ人学生と共に超小型衛星の研究現場の見学と日本人学生との交流の機会を持ちました。

三鷹の研究施設の受入学生が本郷キャンパスを訪問
本学航空宇宙工学の学生と受入学生との交流
中須賀教授(中央)と受入学生と研究室の方々


2018年1月15日~2月10日
チリ大学学生が本学地球惑星科学専攻井出研究室で研修

チリ大学博士課程の学生が、本学理学系研究科地球惑星科学専攻の井出研究室に所属し、微動震源の特定や潮汐応力を計算する方法を学びました。学生からは、この度の研修期間中に得られたデータ結果を基にして、論文を書くことができるとの喜びの声が聞かれました。この先も引き続き、指導した井出教授と研究を続けることに大変興味をもっており、東京大学にすぐに戻ってきたいとの感想も聞かれました。本研修を通じて、地震学者になることを再度確信したようです。研究室では、2016年にチリを訪問した本学博士課程(当時)の学生とも同室であったため、チリの話で盛り上がっていました。

受入学生(左)と過去にチリに派遣された本学学生(右)


2017年10月30日~11月18日
チリカトリカ大学の学生が本学地震研究所で研修を行ないました!

本学地震研究所では最近、観測された津波波形のデータ同化によって津波の予測をおこなう手法を開発しました。そこで受入学生は、「2010年マウレ地震津波の合成波形をつかった津波データ同化」というテーマを掲げ、マウレ地震*について,津波シミュレーションによって疑似観測波形を計算し,そのデータ同化によって沿岸における津波を予測しました。さらに,津波の予測精度を上げるため、最適な観測点配置を推定するための手法を学びました。研究室では、本学学生2名にサポートを受けながら、研究を進めていけたことが良かった様です。
滞在中には、東京藝術大学で行われた、「日智修好120周年記念 藝大フィルハーモニア管弦楽団演奏会」にも出席しました。

*マウレ地震:
2010年2月、チリのマウレ州沿岸部付近を震源とする地震が発生し、震源地付近は津波による甚大な被害を被りました。

チリカトリカ大学からの受入学生


2017年9月15日~10月13日
チリカトリカ大学で本学電気系工学の学生が研修を行いました!

本学電気系工学の学生がチリカトリカ大学のCenter for Biomedical Imaging (CIB)で医療画像についての研修を行ないました。滞在中は、人体用のMRI機器を用いた撮影調整の作業や画像を再構成をすることによってある特殊な条件下での撮像を可能とする手法を学びました。
学生からは、在籍している本学研究室とは異なる専門分野の方が担当教員であったため、今までとは違う視点でアドバスを頂き、それが今後の研究に活かせるだろうとの感想が聞かれました。加えて、本研修をつうじて、今まで理解しずらかった数学の知識を習得して、実験の注意点についても学んだそうです。
研究しながら、東洋と全く違う文化に触れることができ、知識を得ただけでなく、考え方やコミュニケーションの仕方なども色々とインスパイアされたそうです。

事前の語学研修をうける学生
研究室のメンバー
研究室の仲間との休日


2017年7月21日~8月6日
2017年9月2日~9月23日
本学学生とブラジルの受入学生がインターンシップに参加しました!

本学学生とブラジルからの受入学生3名が東京都三鷹市にある国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所で実施されたインターンシップに参加しました。
研究所では、実験、画像解析、性能評価、ソフトウエアを使用したシュミレーション・解析を行いました。

参加した学生からの感想:

(日本の学生)
  • 協同作業の楽しさを感じた。
  • 期限内に信頼性のある結果を得て、まとめることの重大さと難しさを身をもって知った。
  • 言語の異なる人たちが、自分の持つ知見を共有することで、言語の壁を越えた議論に発展させていたことが印象的であった。
  • 英語があまり得意ではなかったが、筆記やジェスチャーで意思疎通をおこなうことを通じて、自ら積極的に行動する大切さを知った。
(ブラジルの学生)
  • 東京大学の博士課程に入学したいという目標ができた。
  • コミュニケーションをとることに不安を持っていたが、それがなくなった。
  • 本インターンシップで、技術を実際に見て、知識を応用し、理論実験をおこなったことが自分の研究の基礎となった。
  • この度の経験が、ブラジルで研究を更に発展させるモチベーションになり、そして日本には研究者として戻ってきたい。

日本の学生らは、オープンキャンパスで実施したサイエンスカフェとミニ講演会で、受入学生らの通訳を務めました。忙しい合間でのイベントでしたが、何とか乗り切ったことで、自信にもつながった様です。また、イベントでは本事業の他分野の研究にも触れることができたので良かったとの声も聞かれました。

9月、ペルナンブコ連邦大学の学生が、長崎県にある株式会社大島造船所でインターンシップを行ないました。 滞在中、数値解析手法を学んだことや実際に造船部門を訪問する機会を得られたことが、印象深かった様です。 このプログラムを通じて、将来役立つ技術が得られ、自らの経験値が上がったとのことです。 また、インターンシップの仲間とも楽しく過ごせ、大変充実した研修だったとの感想が聞かれました。

サイエンスカフェでの発表の様子(本郷キャンパス)


2017年8月30日~9月16日
本学学生がブラジルでのインターンシップに参加しました!

海洋技術環境学専攻の修士学生がインターンシップに参加し、ブラジルに約2週間滞在しました。 1週目は北東部の州都レシフェにあるペルナンブコ連邦大学で物質科学の講義を受け、 2週目は、サンパウロ大学で自身の専門である海洋技術についての課題に取り組みました。 課題については、最初にレクチャーを受けた後でグループで考察・設計・実験などを行ないました。 これを通じて、海洋モデルを設計する全過程を経験でき、自身の知識の向上にも、加えてグループで研究して作業することには 責任が伴うことも学んだそうです。 学生からは、「まさか自分が地球の裏側に来るとは思ってもいませんでした。 ブラジルにはアジアとは異なる生活スタイルがあり、人々はとても親切で情熱的です。ブラジルの料理もおいしかったです。 そして何よりもこの度の研修で、ブラジルと日本の友人が沢山できました。」との感想が聞かれました。ブラジル滞在後、 自分の将来について考えていたことが少し変わり、これからのキャリアについては、より広い視野を持ちながら考えていきたいそうです。

派遣学生(右上3人目)とインターンシップメンバー
ブラジルの造船所にて


2017年8月24日~9月13日
チリカトリカ大学の学生2名が東北でフィールド演習を実施しました!

チリカトリカ大学の院生2名が、2011年の東日本大震災で壊滅的な被害を被った岩手県大槌町吉里吉里(きりきり)で行われたフィールド演習に参加しました。
吉里吉里は、同震災による被災地のなかでも比較的に迅速な復興を遂げたと、しばしば評価されている地区です。フィールド演習では、日本、フィリピン、スリランカ、サモアの学生らと、復興の現状を調査すると共に、被災直後に地域独自の災害対策を主導した地元住民をはじめ、復興関連NPO、観光業者、地元中高生、共同組合、女性活動団体、仮設住宅入居者にインタビューを行いました。津波研究者を志す学生からは、この度の被災地での経験は、将来の津波被害の緩和に活かすことができるだろうとの感想が聞かれました。

参照:Ratnayakage Sameera Maduranga Samarasekara, GPSS-GLI.

現状調査をおこなう学生
インタビューの様子(大槌町)


2017年8月3日~12日
本学学生3名がチリでフィールド演習を実施しました!

本学サステイナビリティ学グローバルリーダー養成大学院プログラム(GPSS‐GLI)の学生3名が、チリの首都サンティアゴ、チャニャラル、コンセプションでフィールド演習を実施しました。
チリは、世界でも干ばつ、洪水、津波、火山噴火、森林火災そして地震などの自然災害の被害をうけやすい国と言われています。学生らは、チャニャラルで2015年と2017年におこった洪水の被害調査や地元住民への聞き取り調査を行なった後、2010年に発生した巨大地震で大きな被害を被ったコンセプションにある地域を訪れ、野外調査、住民へのインタビュー、津波のセミナーなどを実施しました。最後は、サンティアゴでのワークミーティングを行い、チリでのフィールド演習を終了しました。参加した学生からは、現地を訪れる前は発電やその分配、消費について興味があったが、現地の人々とのコミュニケーションを通じて、災害時の安全確保とエネルギーの供給についての重要性を認識したとの感想がありました。本演習では、野外調査のデータ収集をおこなう過程で、実際に被災した現場を自分の目で見て、現地に暮らす住民の声を直接聞くことによって、学生自身の視野や研究の対象を広げることができたようです。
本演習で得られたデータは、2011年の東日本大震災で壊滅的な被害を被った岩手県大槌町吉里吉里(きりきり)で行われるフィールド演習(同年9月実施)で得られるデータと比較される予定です。

参照:Shyam Kularathna, GPSS-GLI.

地元住民とのコミュニティーマッピングの作成演習(チャニャラル)
地元住民へのインタビュー(コンセプション、タルカワノ)


2017年8月2日
サイエンスカフェとミニ講演会を実施しました。

チリ、ブラジルに渡航した本学学生とブラジルからの学生らが、オープンキャンパスのイベントの一部として、サイエンスカフェとミニ講演会を開催しました。
本学では、年に一度、高校生やその保護者、高校教員など一般の方を対象として模擬授業や研究室紹介などを行い、大学を知って頂く機会(オープンキャンパス)を設けています。沢山の方が来場する折角の機会に、科学を通じた日本とラテンアメリカの交流を実際に現地に赴いた学生に紹介してもらおうということで、この度の開催に至りました。来場された方々が気軽に質問でき、時間の制限も少なくリラックスした雰囲気の中で学生との会話を楽しめるサイエンスカフェ形式のポスター発表と、さらに科学的な分野に踏み込んだ研究紹介を含むミニ講演会を行ないました。

サイエンスカフェでは、本事業でチリまたはブラジルに研修にいった学生らが、自らの研究内容と滞在した国での経験をポスターを使って来場者に分かりやすく説明しました。なぜ自分の研究が日本から遠く離れた南アメリカの国で現地の人と協力して行う必要があるのか、科学の知識を用いながら、時には面白いエピソードも交えて紹介しました。また、ブラジルから来日中の学生(日本の学生が通訳として参加)も英語で自身の研究とブラジルの紹介をおこないました。来場した高校生は、最初は恥ずかしそうにしていましたが、徐々に緊張が和いだようで時間が経つにつれて積極的に質問を投げかけ、学生との会話を楽しんでいたように見えました。
会場が工学系だったこともあり、「ものづくり」に興味がある方が多くご来場されました。理学系の校舎で行われるオープンキャンパスに例年参加している学生からは、「理学系の校舎で天文学について質問される時は、惑星や銀河の成り立ちなどについて聞かれるのですが、工学系にくる方からの質問は、観測装置である望遠鏡について聞かれることが多かったので、非常に新鮮でした。楽しい時間を過ごせました!」との感想を頂きました。

ミニ講演会では、海洋工学・航空宇宙工学・機械工学・天文学の分野で時間を分けて、各自の研究分野を少し詳しく来場者に紹介しました。開場時間前から多くの方々にお待ち頂いていたため、急遽工学系研究科航空宇宙工学の中須賀真一教授から「超小型衛星が拓く新しい宇宙開発」を講演して頂きました。高校生や一般の方への講演に十分なご経験のある中須賀教授は、超小型衛星開発の意義と宇宙開発利用の展望についてわかりやすくご説明されました。その後、学生らによるミニ講演会が始まりました。この度は、ブラジルからの学生2名が発表者として参加しました。本学学生2名が通訳としてサポートに入りましたが、主には高校生を対象とするということで、4人で前日夜遅くまで発表の練習をしていたそうです。その甲斐があってか、当日は教室からあふれ出さんばかりの方々にご来場いただけました(平均約40名、最高約75名)。聴講者からの質問も多く、講演終了後に発表者に個別に更に詳しい内容を聞きに行かれる方もいらっしゃいました。ご来場いただいた方々には、この度のサイエンスカフェとミニ講演会を通じて、科学分野での日本とラテンアメリカの交流について少し知っていただけたのではないかと思います。

サイエンスカフェでのポスター発表の様子
ブラジル・カンピナス大学の学生と通訳として活躍した本学学生
地震について説明する本学学生
超小型衛星について説明する本学教員
天文学について説明する本学学生
ミニ講演会の前におこなった中須賀教授の特別講演
ブラジルからの学生と本学学生で実施したミニ講演会の様子

Viva ! Latin America
  海と宙(そら)と星でつながる科学の世界

日時:2017年8月2日(水)13:00~15:00
場所:工学部7号館 2階
   第1セミナー室(ポスター発表/サイエンスカフェ形式)
   72号室(ミニ講演会)

【ポスター発表者】

五十里哲さん (航空宇宙工学専攻)
伊藤佑介さん(機械工学専攻)
内山允史さん(天文学専攻/TAOプロジェクト)
川俣良太さん(天文学専攻)
加藤裕太さん(天文学専攻)
西川友章さん(地球惑星科学専攻)
Leonardo de Padua Agripa Sales (ブラジル・カンピナス大学)

【ミニ講演会:発表者とタイトル】



2017年6月25日~6月27日
【日本チリ修好120周年事業】梶田隆章宇宙線研究所長がチリを訪問されました。

2017年は、日本とチリの修好120周年の記念の年になります。そこで、6月27日、東京大学、在チリ日本国大使館、チリ外務省、チリ大学、チリカトリカ大学が中心となり、2015年にノーベル物理学賞を受賞された梶田隆章東京大学宇宙線研究所長の記念講演会を首都のサンティアゴで開催いたしました。
講演会には、関村直人本学副学長、吉井讓本学理学系研究科天文学教育研究センター/TAOプロジェクト代表、在チリ日本国大使館大使夫妻、Guido Girardi Lavin上院議員、チリ外務省のGabriel Rodriguez局長、チリ科学技術研究委員会(CONICYT)のMario Hamuy会長、チリ大学からは、Eduardo Vera国際部部長、Juan Carlos Letelier大学理事、チリカトリカ大学からは、Pedro Bouchon研究担当副学長、Maria Elena Boisier研究担当部長、そして各大学の教員と学生、天文学・物理学の研究者など約80名が出席しました。出席した研究者や学生らは、梶田教授の講演を聴講し、直接質問できる貴重な機会を得ることができました。講演後には若手研究者から、非常にわかりやすく研究内容を発表していただき、大変参考になりましたとの感想が聞かれました。

関村副学長(左から4人目)、平石在チリ日本国大使(左から5人目)、
梶田教授(右から5人目)、吉井TAOプロジェクト代表(右から2人目)
チリ外務省で行われた日本チリ修好120周年記念講演会の様子

同日午前中には、サンティアゴにある科学館 "Museo Interactivo Mirador" で高校生を対象としたイベントを行ないました。 チリの高校生やその教員など約100名が来場し、梶田教授がニュートリノ研究の内容をわかりやすく説明しました。その後、 参加者を代表して4名の高校生が、各自の質問を投げかけ、梶田教授が1つ1つの質問に丁寧に答えられました。イベント終了後、 参加した高校生が「将来、必ず物理学者になるんだ!」と大変喜んだ様子で語っていました。

イベントでの梶田教授とチリの高校生
科学館を見学する様子

チリ滞在中には、サンペドロ・デ・アタカマにある本学理学系研究科附属天文学教育研究センターのアタカマ天文台(TAO)山麓研究棟を訪問しました。 2014年、TAO望遠鏡の開発と運用の拠点となる施設として開所したTAO山麓研究棟は、研究設備の整った研究棟と宿泊施設を併せもち、日頃から観測をするためにアタカマを訪れる学生や研究者の生活・研究の拠点となっています。
その後、国立天文台チリ観測所の阪本成一所長による案内で、アタカマ砂漠の標高5,000mにあるALMA望遠鏡と山頂施設、そして標高2,900mにある山麓施設を見学しました。
高地で非常に乾燥した過酷な地を直に肌で感じられた梶田教授は、「すごい場所ですが、皆さんには頑張って頂きたいです。また若い方には、積極的に最先端の施設で研究を進めてほしい」とのメッセージを送りました。

TAO山麓研究棟
ALMA望遠鏡(標高5,000m)
説明をうける様子. (左から)阪本チリ観測所所長、梶田教授、宮田教授、関村副学長



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