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学生たちの声

銀河進化の研究で
博士をめざす

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天文学専攻 博士課程1年

Kianhong Lee

李建鋒

FROM

中央研究院天文及天文物理研究所

台湾

天文学、特に「銀河の進化」を研究しています。どのように銀河はつくられ、今に至ったのかを、活発な銀河から放たれる光や電波などを手がかりに探っています。

こうした銀河の中心には超巨大ブラックホールがあり、銀河が光や電波を放出するエネルギー源になっていると考えられます。ブラックホールの質量と銀河の質量には関係性があるとも考えられ、両者の相互関係を探ることで、銀河の進化の仕方を明らかにしようとしています。

修士課程では、銀河の進化を探るため、「クエーサー」と呼ばれる活発な銀河を観測しました。クエーサーは非常に明るい天体ですが、暗めのものもあります。地球からはるか遠く、つまり宇宙誕生から間もない暗いクエーサーがいくつも見つかっていて、それらのクエーサーの特徴を探ってきました。一連の研究では、アメリカ国立電波天文台が運用しているJVLA(Jansky Very Large Array)望遠鏡の観測データを使用しました。その結果、宇宙初期の暗いクエーサーは、同時代の明るいクエーサーより電波放射が活発ではないという推測を得ることができました。

世界各地の望遠鏡では、「何をどういう目的で観測するか」、観測提案を受け付けています。これまでの研究は公開データを使って解析を進めてきましたが、研究をさらに前進させるため、観測提案にも積極的に取り組んでいます。先のJVLAの観測では、私の観測提案にもとづくデータも含まれています。提案した計画では、活発な銀河である「電波銀河」を対象に、この銀河が放つ電波や水素ガスの分布状況を詳しく観測し、銀河の進化をより多面的に探っていきます。観測データを解析するだけでなく、自分が提案した観測計画が承認されたことで、研究者として大きな自信がつきました。これからの観測も楽しみです。

郷里の台湾で、幼いころ親から贈られた天文学のビデオに見入り、「宇宙にはいろいろな現象があるんだ」と興味を持ちました。国立 台湾大学で物理を学び、卒業後は、日本の国立天文台に相当する台湾 中央研究院天文及天文物理研究所に技術者として勤めました。そこでは、南米・チリのアルマ望遠鏡の受信機の開発に携わりました。

大学院進学を決めたのは、働きながらも理学としての天文学への憧れがあったからです。研究者として生きていくには博士号が必要ですし、日本は天文学の研究でアジアをリードしています。東京大学と台湾大学は同じ旧帝大で縁も感じ、東大への留学を志望しました。大学院入試の際には、奨学金申請の相談のため、いま指導していただいている河野孝太郎先生にコンタクトしました。河野先生は私の研究計画書を丁寧に添削してくださり感動しました。

日本語は、留学前に台湾大学での第二外国語の授業やオンライン会話サイトなどで学びました。大学院には私のような留学生もいるので、授業は英語も使われますが、日本人の先生や学生たちと深い議論をしたり、生活面も考えると、日本語ができた方が便利だと思います。

当面の目標は博士号を取ることです。高度な知識や技術を身につけて、博士にふさわしい業績を残していきたいと思います。

※2020年理学部パンフレット(2019年取材時)
文/萱原正嗣、写真/貝塚純一

天文学専攻 博士課程1年
Kianhong Lee
李建鋒
台湾生まれ。2011年国立 台湾大学を卒業後、台湾中央研究院天文及天文物理研究所に勤務し、電波望遠鏡受信機の開発に携わる。17年東京大学大学院理学系研究科天文学専攻修士課程に入学。19年修了し、現在は博士課程。
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