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学生たちの声

バーチャルでつながる新しい留学のかたち

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〜SVAPオンラインで、UCLAのサマーセッションに参加するという選択〜

地球惑星環境学科 3年生

Takahata Aya

髙畑 彩

TO

カリフォルニア大学ロサンゼルス校

米国

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、「留学の形」も変化しつつある。従来の「留学」制度は継続しているが、パンデミックの状況によってはそれも不可能となってしまうこともある。東京大学理学部では、こうした状況下でも「海外の大学で学ぶ」ことが体験できるよう、オンラインによる留学プログラムが始まった。

オンラインで体験する海外留学

地球惑星環境学科で学んでいるテーマの一部について、米国の大学での授業も受講してみたいと思い、SVAPに応募しました。本プログラムのオンライン開催は初めてということでしたが、東京にいながら、米国の授業に参加できるところも魅力的でした。わたしが参加した米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のサマーセッション(夏季短期授業)は、30人ぐらいの授業で、北米在住の受講生が多かったのですが、アジアからも何名かオンラインで参加している留学生がいました。UCLAでは、授業中に発言することやZoomチャットで質問することも可能で、ティーチングアシスタントのサポートはもちろん、授業の途中でも先生が学生からの質問に回答されるなど、とてもインタラクティブな授業でした。

中でも大変有意義に感じたのは、最新研究に関する記事の中から1つ選び、数名のグループごとにディスカッションを行い、3分間程度で選んだ記事について発表したことでした。ここでは、英語が得意な人も、そうでない人も、積極的に発言されていて、英語で議論するスタイルの勉強にもなりました。また、専門分野が異なる学生が集まっていたため、同じ記事を読んでいても、別の視点からの意見も出てくるなど、他の方の発表や質問を聞くことで気付くことがたくさんありました。このグループ・ディスカッションで経験した、語学力も、議論の方法も、そして分野をまたいだ交流が自然とうまれたことも、わたしの今後への良い影響になっていると感じています。

米国の大学の制度として、素晴らしいと感じたのは、オフィスアワーが設定されていて、その時間帯であれば、いつでも先生と話ができることでした。授業の内容でもう少し聞いてみたいことだけでなく、博士号取得へ向けてのアドバイスなど、いろいろと相談できます。わたしもオフィスアワーを利用して鉱物物理学の教授にお話を伺ったのですが、先生はご自身の研究分野のほかにも、周辺分野や米国の大学事情、アカデミックキャリアなどをざっくばらんに話してくださいました。

オンラインのプログラムを受講する留意点としては、時差の問題があります。サマーセッションは、日本時間の朝の3時から4時45分までと早朝であったため、逆算して早めに寝るなど、生活を工夫しなければなりませんでした。忙しいときは睡眠時間が短くなってしまうこともありましたが、そこはうまく調整できたと思います。出身国や地域、在学している大学など、多彩なバックグラウンドの学生との交流はとても印象的で、良い刺激になったと思います。

化学も生物も語学も。興味の舞台は「地球」にあります

もともとは鉱物や生物、化学などの「自然界」に関心がありました。以前イギリスに住んでいたときに、ロンドンの自然史博物館(Natural History Museum)やミュンヘンのマックス・プランク研究所(Max Planck Institutes)の関連施設であるドイツ博物館(Deutsches Museum)を訪問する機会がありました。そこで生き物が暮らす「地球」へと興味が広がり、理学部地球惑星環境学科を選びました。学科の授業では、地球についてさまざまな視点から広く・深く学ぶことができるのがとても魅力的です。野外調査で研究対象の地層に直接に触れたり、座学では最新の研究を学んだりと、その授業形態はとても多様です。

また、英語での授業が主流の化学科にも興味があります。加えて、ドイツ語、イタリア語、ラテン語、古典ギリシア語などのヨーロッパ言語を体系的に習得するなど、もっと幅広く学んでいきたいと思っています。

将来のゆめ

アメリカやイギリスといった英語圏に加えて、ドイツ語圏の大学にも興味があり、留学や研究をしたいと思っています。現地に行かないとわからない、国や大学、研究所などの雰囲気に加えて、日常生活から感じられる独自の文化的歴史的背景も体験してみたいです。留学の一番の魅力は、留学先の研究室で各国からの学生や先生と議論したり、積極的にコミュニケーションをとったりして、自身の視野が広がるきっかけになることだと思います。そして、将来は、専門性と語学力を活かし、国際機関や海外の研究施設など、さまざまなバックグラウンドの研究者が集まる場で研究に従事することができたらいいなと思っています。

メッセージ

海外留学となると、長いフライトの時間や言語の壁、慣れない土地での生活のことを気にしながら、授業の準備をしなければなりません。オンライン留学ならそういった心配もなく、自宅で落ち着いて予習や復習ができます。また、日本にいながら、海外の授業との比較ができるのも魅力です。授業を受けながらわからない表現や概念を辞書で調べたり、大学にいけば、先生に日本語で聞くこともできるので、現地に行くほどはハードルが高くはないと思います。そこで、オンライン留学で経験を積んでから、実際に海外に留学しにいくというのも良い選択肢だと思います。オンラインでも、工夫次第で異なる文化圏の人々と交流を深めたり、多様な文化に触れたりすることもできます。そうした経験が、その後の海外留学に役に立つのではないかと思っています。

オンライン留学の制度はまだ新しいので、わからないことがあれば、ILOの皆さんに相談してみてください。ILOの作田先生が現地の担当の方と直接コンタクトを取ってくださり、スムーズに授業を受けることができ、大変助かりました。

オンラインであっても、実際の海外留学であっても、こうした経験はとても貴重な機会ですし、自分自身、より多角的な視点が備わったと実感しているので、ぜひお勧めしたいと思います。

※2022年取材時
文/武田加奈子
写真/貝塚純一

地球惑星環境学科 3年生
Aya Takahata
髙畑 彩
2019年東京女学館高等学校卒業、東京大学に入学。2021年SVAP Online制度を活用しUCLA Summer Sessionに参加した。
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