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理学部の宇宙・惑星研究

October 11, 2021

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©2016NASA

理学部では、宇宙や惑星に関するさまざまな研究が行われている。
宇宙には、人類がまだ見ぬ世界が広がっている。

◎太陽活動11年周期の謎に迫る
<天体・太陽プラズマ物理学>

地球惑星科学専攻・地球惑星物理学科 横山央明准教授

太陽表面の黒点は、周囲より温度が低いため黒く見える。その正体は、太陽内部の磁力線が表面に浮上してきた強磁場領域だ。黒点の数は、1600年ごろにガリレオが太陽の観測を始めて以来、11年周期で増減することが知られているが、黒点周期が生まれるメカニズムは未解明だ。

その謎に、横山研究室の卒業生で千葉大学の堀田英之特任助教が横山准教授らとともに挑んだ。スーパーコンピュータ「京」によるシミュレーションで、太陽の活動を世界最高解像度で再現、磁場の周期が生まれることを明らかにした。図は、計算によって得られた乱流(上)と磁場(下)の様子。カオス的な状況下でも非常に小さいスケールの磁場が発達していることが分かる*。

©2016 千葉大学

横山研究室では、太陽最古の謎の究明のほか、天体のプラズマ現象の観測や理論研究に取り組んでいる。

*米科学誌『Science』(25 March 2016, VOL. 351)

◎火星で大気の痕跡を探る
<地球惑星進化学/アストロバイオロジー>

地球惑星科学専攻・地球惑星環境学科 関根康人准教授

火星のクレーターを走りまわる探査車キュリオシティ。クレーターにはかつて湖が存在し、湖底に堆積した泥や砂の地層を分析している。堆積物中には鉄やマンガンの酸化物が見つかっており、かつて火星には酸素を含む大気があった可能性がある。

関根研究室は、地球を含む太陽系内外の惑星や衛星の誕生と進化について研究している。特に、生命が存在する、もしくは存在可能性がある惑星や衛星を対象に、生命の誕生と存続を可能にする環境、すなわち大気や海洋などが形成された過程の解明に力を入れる。具体的には、初期地球、火星、木星の衛星タイタンとエウロパ、土星の衛星センセラダス、太陽系外惑星などが研究対象だ。

主たるアプローチは、室内化学実験とフィールドワークにもとづく試料分析。大気や海洋の起源に迫るには、それらを構成する元素が惑星・衛星の活動中にどのような変成を受けるかを知らねばならない。これに数値計算を組み合わせ、惑星進化の実態に迫る。

©2016NASA

◎超新星爆発から、宇宙の加速膨張の謎に迫る
<観測的宇宙論/銀河天文学>

理学系研究科附属天文学教育研究センター 土居守教授

横に並ぶ3つの写真は、すばる望遠鏡(ハワイ・マウナケア山山頂)の広視野カメラが捉えた、左端から順に爆発からおよそ半日後、1日後、30日後の超新星の様子(赤い矢印の先が超新星本体、30日後はマウナケア山の別の望遠鏡で撮影)。同種の超新星爆発としては最も早期の発見で、この段階で超新星が明るくなっていることを突き止めた。発見には、土居研究室の大学院生、姜継安さん(博士課程2年)が中心的な役割を果たした。

写真下はこのときの爆発の想像図。白色矮星外層部のヘリウムが核融合反応を起こし、その衝撃が中心部に伝わり、星全体が核暴走反応を起こして爆発したと考えられる*。

超新星爆発は非常に明るく、似たような最大光度を持つため宇宙論的な距離指標に使われている。この性質を利用して宇宙の加速膨張が突き止められた。土居研究室では、加速膨張を引き起こす原因とされる暗黒エネルギーについても研究している。

*英科学誌『Nature』電子版(5 October 2017, VOL. 550)

※2018年理学部パンフレット(2017年取材時)
文/萱原正嗣

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