Science GalleryThe University of Tokyo

研究展示

高木貞治先生自筆ノート(レプリカ)

takagi

高木貞治先生(1875年—1960年)は東京帝国大学出身の数学者です。整数論が専門で、日本最初の世界的な数学者であるといわれています。1898年から1901年のドイツ留学後、1904年から1936年まで東京帝国大学教授として活躍されました。高木先生が打ち立てた類体論は代数的整数論の一つの到達点であり、現代の整数論研究にも深く影響を与えています。また、高木先生は『初等整数論講義』、『代数学講義』、『代数的整数論』、『解析概論』などの数学の教科書を著し、日本の数学の発展に大きく貢献されました。

東京大学大学院数理科学研究科図書室(駒場キャンパス)では高木先生の自筆ノートを所蔵しています。虚数乗法を持つ楕円曲線、円分体、楕円関数などについての計算ノートや、整数論、代数学、行列式などについての講義ノートがあります。高木先生がご活躍されていた時代は整数論研究の中心はドイツにあり、そのためノートの多くはドイツ語で書かれています。また、講義ノートのいくつかは英語で書かれています。

ここに展示しているノートは自筆ノートのレプリカです。自筆ノートの画像はデジタル化されており、ウェブ上で閲覧が可能です。ぜひご覧ください。

https://iiif.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/repo/s/takagi/page/home

文責

志甫 淳(数学科・教授)、2022年