Science GalleryThe University of Tokyo

自然の本質に迫り、人類の知の先端を切り拓く

理学系研究科・理学部「サイエンスギャラリー」は、東京大学潮田記念基金により、2022年7月に改装し、広く社会に向けた情報発信と、交流を目的とする場としてリニューアルしました。理学系研究科・理学部卒業生から輩出されたノーベル賞に関する展示をはじめ、理学部が歩んだ歴史や概要、理学研究の最前線を、映像とともにご紹介しています。ぜひ、理学の魅力に触れてみてください。

理学系研究科・理学部の軌跡

日本の科学、はじまりの地

東京大学の創設は、明治維新期の1877(明治10)年。理学部も時を同じくして設立されましたが、その淵源は、さらに200年近く遡ります。江戸時代の1684(貞享元)年、徳川幕府内に暦を司る「天文方」が設立され、天体観測の技術や知識の蓄積が、後の理学部に引き継がれました。その後も、理学部設立時に附属植物園となった「小石川御薬園」や、化学科の母体となる「蕃書調所 精錬方」が徳川幕府によって設立されています。

「附属臨海実験所」は、附属植物園と並ぶ、明治期に創設された歴史ある附属施設です。その始まりは1886(明治19)年で、我が国の人類学と考古学の礎をつくったエドワード・モース博士が関わっています。

時代の要請にあわせて、学問分野を開拓

理学部設立時に発足した学科は、「数学物理学及び星学科」、「地質学及び採鉱学科」、「化学科」、「生物学科」、「工学科」の5つです。「数学物理学及び星学科」は、「数学科」・「物理学科」・「天文学科」の母体であり、「地質学及び採鉱学科」は、後の地学科、現在の「地球惑星環境学科」につながっていきます(工学科は後に分離して工学部の母体となります)。これらに次いで、1923(大正11)年の関東大震災をきっかけに地震学科が新設されました。1941(昭和16)年には地球物理学科へと名前を変え、現在の「地球惑星物理学科」につながっています。1958(昭和33)年には、「生物化学科」が誕生しました。1940年代ごろから米国を中心に分子生物学が急速な発展を見せ、国内の大学で初めて、分子生物学を専門に担う学科が設置されたのです。

1975(昭和50)年には、情報学の研究・教育のために「情報科学科」が設立されました。2000年代には入り、生命を「情報」として捉えるバイオインフォマティクスを司る教育プログラムを設置し、2007(平成19)年には、それを発展させる形で「生物情報科学科」を新設しました。

理学系研究科では、「物理学専攻」、「天文学専攻」、「地球惑星科学専攻」、「化学専攻」、「生物科学専攻」の5つの専攻と、より専門的な分野を探究するセンターや、境界領域研究を進める研究機構などの附属施設を設け、理学を追求し、社会のさまざまな場面で必要とされる人材の育成に力を入れています。

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旧サイエンスギャラリー