TAO山麓研究施設の開所式「南米チリ・サンペドロ市にて」

吉井 譲(天文学教育研究センター 教授)

図1

TAO山麓研究施設にて参加者の集合写真

この度,2014年11月21日,TAO望遠鏡の運用と開発の拠点となる山麓研究施設が麓のサンペドロ・デ・アタカマ市に完成したことを記念し,現地にて開所式典が開催された。

TAO (The University of Tokyo Atacama Observatory) は天文学教育研究センターが中心になり,抜群の赤外線観測環境を誇るアタカマ砂漠チャナントール山頂(標高5640m)に口径6.5mの望遠鏡を建設し,銀河の誕生や惑星の起源の解明を目指す計画で,2009年には標高世界一となる口径1mのminiTAO望遠鏡を先行設置し,現在は2017年の完成を目指して口径6.5mのTAO望遠鏡を製作中である。施設は全体で約14,000平米の面積を有し,サンペドロ市の中心街に徒歩でアクセスできる。2011年よりminiTAO望遠鏡の遠隔制御拠点として利用してきたが,2013年5月より研究棟の建設を開始し,先頃完成した。

式典はサンペドロ市内の公営ホールで開催され,理学系から山内薫副研究科長はじめ17名の教職員,在チリ日本大使館,サンペドロ市関係者, ALMA観測所などの周辺天文プロジェクト代表者,日本および現地企業など,計42名が出席した。副研究科長の挨拶に始まり,二階尚人日本大使(山口書記官代読),Fernando Comeron ESO (European Southern Observatory) チリ代表,Sandra Bernaサンペドロ市長から祝辞を頂戴し,施設の工事に尽力したサンペドロ市の建設会社SEKAI M.Z., 国際ランド&ディベロップメント株式会社,アンデス商事株式会社に感謝状が贈呈され,最後はTAO計画代表である吉井の挨拶で締めくくった。

夕刻の祝賀会は25m電波望遠鏡計画CCATのJeff Zivick氏の乾杯の音頭で始まった。会場では,施設完成を祝うと共にTAO望遠鏡完成への熱い期待の声が多く寄せられた。直前には日本のグループ「オルケスタ・アウロラ」によるタンゴ音楽のコンサートが開催され,会場の200席は満席で盛り上がり,サンペドロ市民との良い交流の場となった。

式典を通じ,理学系の教職員をはじめサンペドロ市,日本・現地企業など多くの方々に支えられてここまで来られたことをあらためて実感した。いよいよ口径6.5mの望遠鏡の建設が本格化する。引き続き皆様の変わらぬご支援をお願いしたい。