2012年度文部科学大臣表彰若手科学者賞を本研究科から5名が受賞

広報誌編集委員会

2012年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞を,理学系研究科の5名が受賞しました。この賞は,科学技術に関して顕著な成果を収めた,高度な研究開発能力をもつ若手研究者に与えられたものです。

阿部光知准教授(生物科学専攻)は,業績「高等植物におけるフロリゲンを介した花成制御機構の研究」による受賞です。植物が適切な時期に花を咲かせる仕組みをシロイヌナズナの変異体を使って詳細に調べ,花成ホルモン「フロリゲン」の機能する仕組みを突き止めました。

生駒大洋准教授(地球惑星科学専攻)は,業績「巨大惑星の起源と内部構造の研究」による受賞です。現在の木星・土星の内部構造と調和的で,太陽系外の巨大惑星の多様性も説明できる理論を初めて打ち立てました。これは,惑星の種の固体コアがある閾値以上の質量になると,周辺ガスを重力で暴走的にかき集めるというモデルです。

佐藤政充助教(生物化学専攻)は,業績「細胞分裂における微小管の制御メカニズムの研究」による受賞です。タンパク質Alp7が,細胞核と細胞質との間を行き来することで,細胞質物質の輸送を制御する役割と同時に,微小管という細胞骨格の形成を支える役割をもつことを明らかにしました。

塚崎智也助教(生物化学専攻)は,業績「細胞におけるタンパク質膜透過装置の構造と機能の研究」による受賞です。すべての生物共通の基本的な生命現象のひとつであるタンパク質の膜透過の分子メカニズムでの詳細を明らかとするため,反応に関わるすべてのSecタンパク質を原子分解能レベルでX線結晶構造解析して,その構造変化と機能を示し,新規のタンパク質膜透過の分子機構を提唱しました。

所裕子特任助教(化学専攻)は,業績「新規な相転移現象を示す物質創製に関する研究」による受賞です。特殊な双安定性を有する相転移物質を理論に基づいて化学合成し, ルビジウム-マンガン-鉄プルシアンブルー類似体などにおける光誘起相崩壊相転移・高速光磁性相転移・光可逆強磁性反強磁性相転移など,独創性あふれる新現象を次々と発見しました。

図1
阿部光知准教授
図2
生駒大洋准教授
図3
佐藤政充助教
図4
塚崎智也助教
図5
所裕子特任助教