国立天文台 家正則教授が紫綬褒章を受章

林 正彦(天文学専攻 教授)

図1

家正則教授

国立天文台の家正則教授(本研究科天文学専攻兼任)が,紫綬褒章を受章されました。長年にわたって天文学に関する研究に努められ,優れた業績を挙げられて,学術の進歩に寄与されたことによる受章です。誠におめでとうございます。

家先生の業績は多岐にわたりますが,そのうち「最遠方銀河の発見と宇宙再電離に関する研究」および「レーザーガイド星補償光学装置の開発」については,東レ科学技術賞を受賞されたおりにご紹介しました(理学部ニュース2011年7月号参照)。ここでは,家先生のすばる望遠鏡建設に関する業績をご紹介したいと思います。

1960年に完成した東京大学東京天文台188 cm望遠鏡の後継機として,1980年代前半,直径8 mクラスの望遠鏡を建設する可能性が検討されました。ところが,このような大きな望遠鏡の鏡を従来のように分厚いガラスで作ることは不可能でした。家先生は渦巻銀河の円盤の振動を論じたご自分の学位研究の手法が,丸い鏡の変形制御にも応用できることから,主鏡をコンピュータ制御する大型望遠鏡の可能性を検討されました。能動光学とよばれるこの方式は,1980年代後半に試作された小型の試験鏡で,鏡の形状を理論どおり制御できることが実証され,すばる望遠鏡に採用されることになりました。その結果,すばる望遠鏡はもっとも優れた光学性能をもつ大型望遠鏡として,世界の天文学者からきわめて高い評価を得ています。