美術作品「宇宙膨張進化の視覚伝達装置 ビッグバンと宇宙の晴れ上がり」

横山 広美(広報・科学コミュニケーション 准教授)

図1

目線の高さに設置された作品。理学部を訪れる多くの方にご覧いただきたい。

2011年2月,理学部1号館1階のサイエンスギャラリーに,なじみ深い形が美術作品となって登場した。 「宇宙膨張進化の視覚伝達装置 ビックバンと宇宙の晴れ上がり」と名付けられたこの作品は,美術家で文教大学情報学部広報学科の藤掛正邦教授が理学系研究科と共同研究として約半年をかけて制作された。

藤掛教授はワイヤー・アートという独自の手法をもつ。 理学系研究科で行われている研究を写真や画像でご紹介したところ,「逆釣鐘形の概念図は,理論をベースにした美しさ,とくに曲線が美しく感じました。 137億年の完成フォルムを両手で抱えてみたい願望。新しい美術作品になると直感した」とインフレーション理論の概念図をモチーフに制作がされることになった。

本作品では,「無」の状態を表す黒の丸い台の上に,宇宙が誕生しインフレーションをおこして膨張する様子が力強いワイヤーで表現されている。 ビッグバンの「火の玉宇宙」は赤い金属のモビールで表現され,宇宙誕生後30万年のときに放たれた宇宙の晴れ上がりは透明な青いビーズを連ねて「光が放たれたときの壮快感(藤掛氏)」が表現されている。 この作品は動的である。 モビールが脇に設置された扇風機の風に揺れ,互いに触れ合いカラカラという音がする。 さらに宇宙的なイメージの音楽(冨田勲・シンセサイザー「月の光」“雪は踊っている”)がかけられ,宇宙創成の作品の神秘性を高めた。

注)節電のため現在は扇風機と音楽は止めている