羽ばたく女性科学者になるために

–Ada Yonath 2009年ノーベル化学賞教授を迎えて–

菅 裕明(化学専攻 教授)

図1

講演を終えて小柴ホール壇上にて。左より濡木理教授,伊藤悠美さん,村尾美緒准教授,中村優希さん,Ada Yonath教授,野澤佳世さん,筆者。

2011年3月10日小柴ホールにて,リボソームのX線構造解析の業績により2009年ノーベル化学賞を受賞したイスラエル・ワイツマン研究所のAda Yonath教授を迎えて講演会を開催した。 リボソームとは,生命活動の中枢ともいえるタンパク質合成を担う巨大酵素マシーンである。 通常,生命体の酵素といえばタンパク質なのであるが,このリボソームはRNAとタンパク質の複合体,さらにその酵素機能の中心となるのがタンパク質でなくRNAそのものにあるRNA酵素なのだ。 この事実をX線構造解析で証明したことがYonath教授の大きな貢献のひとつだ。 また,講演ではリボソームと抗生物質との相互作用を解明することで人類の感染症薬剤開発に貢献すべく研究を継続されておられることを紹介してくださった。 いっぽう,この講演会では,科学者を目指す女性研究者を応援する企画として, 物理学専攻の村尾美緒准教授に,先生の専門分野の研究に加え,先生ご自身のキャリアデベロープメントを通した研究に向かう姿勢と研究哲学を話していただいた。 続いて,中村優希さん(理・化学専攻),伊藤悠美さん(工・化生工専攻),野澤佳世さん(理・生化専攻)の3人の大学院生に各研究の講演をしていただいた。 英語かつ短い時間での講演ではあったが,いずれの学生さんの講演もひじょうに明確かつ聴き応えがあった。 講演会終了後は,講演者と出席した学内外の学生達との交流ミキサーが小柴ホール前のホワイエで催され,女性研究者に限らず,学生達のよい交流の場になったと感じられた。