山岸有哉さんの「日本学術振興会 育志賞」受賞を祝して

山岸有哉さん
わが国の学術発展に寄与することが期待される優れた大学院博士課程学生に贈られる「第1回(平成22年度)日本学術振興会育志賞」を生物化学専攻の山岸有哉さんが受賞しました。 この賞は,御即位20年を迎えられた天皇陛下の,社会的に厳しい経済情勢の中で勉学や研究に励んでいる若手研究者を支援・奨励したいというお気持ちを受けて日本学術振興会が創設したもので,初年度の今回は全国の大学長または学会長の推薦を受けた候補者から17名が受賞しました。
山岸さんの受賞テーマは「保存されたタンパク質シュゴシンの機能および局在化機構の解析」です。 生命の設計図である染色体DNAを正確に伝承するために必須なタンパク質であるSgo1(シュゴシン;守護神)が,どのようにして染色体上に局在しているかを解明しました。 この成果は,基礎医学的見地からもひじょうに重要であると考えられ,将来抗癌剤創薬などへの応用が期待されます。 山岸さんは日々精力的に研究に打ち込み,これらの研究成果を国内外の学会で発表し,学術論文(Nature 2008, Science 2010など)としてまとめており,今後さらなる活躍が期待されます。