化学専攻佐藤健太郎特任助教,科学ジャーナリスト賞の受賞おめでとうございます

佐藤健太郎特任助教
本研究科化学専攻の佐藤健太郎特任助教が,近著「医薬品クライシス~78兆円市場の激震」で,「科学ジャーナリスト賞2010」を受賞されました。 心よりお慶び申し上げます。本研究科からは, 2007年の横山広美准教授に続く2人目の受賞となります。
佐藤助教は,製薬企業で13年近くにわたって医薬品の合成研究に携わってきました。 2007年に退職してサイエンスライターとなり, 2009年4月より現職に就いています。 その間に化学関連の2冊の著書を刊行し,本作が3冊目の単著単行本になります。
医薬品業界は,今年2010年をピークとして多くの大型製品が特許切れを起こす「2010年問題」に見舞われています。 本書は,これらに代わる医薬品がなぜ出現しなくなったかを,研究者側および社会的な視点の両面から解説したものです。 また本書はこれだけではなく,医薬品は体にどのように作用するのか,創薬の過程はどのようなものであるのか,なぜ年間20種以下しか認可されないほど新薬の創出が難しいのか,副作用とは何であるのかといった医薬にまつわる疑問を,自身の経験を交えつつ平易に解説し,研究者のみならず一般層への知識の普及に貢献しました。 今回の受賞は,この点が高く評価されたものです。佐藤助教の,今後の一層のご活躍を祈念いたします。