黒岩常祥名誉教授が「みどりの学術賞」を受賞

黒岩常祥名誉教授
本学名誉教授である黒岩常祥先生が,2010年4月23日,天皇皇后両陛下ご臨席の「みどりの式典」において「みどりの学術賞」を受賞されました。みどりの学術賞は,国内において植物,森林,緑地,造園,自然保護などに係る研究,技術の開発そのほか「みどり」に関する学術上の顕著な功績のあった個人に内閣総理大臣が授与するものです。
黒岩先生は,本研究科博士課程を1971年に修了され,1987年から2002年まで本研究科生物科学専攻の教授として,植物細胞生物学の教育,研究に努められました。今回の受賞理由は,細胞小器官ミトコンドリアと葉緑体の分裂装置の発見に基づく分裂増殖および母性遺伝の仕組みの解明です。葉緑体およびミトコンドリアは,植物が太陽からエネルギーを取り入れるための必須の機能である光合成と細胞呼吸を担っています。黒岩先生は,これらの細胞小器官の分裂・増殖・遺伝の仕組みを世界で初めて解明するなどの顕著な功績を挙げ,斯学の発展に貢献したということが高く評価されました。
黒岩先生は,2008年にもこれらの業績により紫綬褒章と米国植物科学会バーンズ賞をダブル受賞されていますが,本年もさらに6月に日本学士院賞を受賞されることが決まっており(理学部ニュース2010年5月号にて既報),再び栄えあるダブル受賞となりました。今後ますますのご健勝をお祈り申し上げます。