理学部チーム,バンド幅チャレンジインパクト賞を受賞

須田 礼仁(情報理工学系研究科 准教授)

図1

Data Reservoir研究グループの皆さん(左から玉造潤史准教授,平木敬教授,稲葉真理准教授,下見淳一郎助教)

世界はネットワークでつながっている。その先端を走ってきたグループが,また新たな境地を切り開く快挙を成し遂げた。情報理工学系研究科の平木敬教授,稲葉真理准教授,および理学部情報システムチームの玉造潤史准教授,下見淳一郎助教らのData Reservoir研究グループが,国際会議 SC09 で開催された「バンド幅チャレンジ」で「インパクト賞」を受賞したのである。

国際会議 SC09 は 2009年11月14日から20 日まで米国ポートランドで開催された,高性能の計算・通信などに関する世界最大の国際会議である。例年ここで超高性能通信などに関するコンテストが行われているが,Data Reservoir 研究グループは上位入賞の常連である。同グループは2004 年以来,遠距離通信の世界記録(ランドスピードレコード)も保持している。今回は,この遠距離高速通信技術をファイル転送とウェブシステムに応用して,超高速ウェブブラウザ「UsadaFox」を開発,米国ポートランドと東京大学間のファイルダウンロードで,通常のウェブブラウザの性能の約1000倍にあたる6.5Gbpsを達成したことで受賞となった。このUsadaFox を使えば,ウェブブラウザという形で誰にでも,10ギガビットインターネットによる遠距離・超高速データ転送が活用できるようになる。地球の裏側にある巨大データも目の前にあるかのように自由に操られる未来が見えてきた。