理学系初の社会連携講座「光電変換化学講座」の開設

社会連携講座運営委員会委員長 西原 寛(化学専攻 教授)

図1

松尾豊特任教授と
「光電変換化学講座」実験室

2009年4月から3年間にわたり,社会連携講座「光電変換化学講座」が開設された。社会連携講座とは公益性の高い共通課題について,東京大学と共同研究を実施しようとする民間機関等から受け入れる経費等を活用して,学部および研究科等の教育研究を行う大学院組織等に置かれる講座である。

本講座は,三菱化学株式会社の協力のもと,革新的な有機薄膜太陽電池の基礎となる光電変換の化学と物理,ナノサイエンスなどに関して体系的な基礎研究を行うことを目的としている。有機薄膜太陽電池は作製コストが安く,クリーンエネルギーをつくり出すことができることから,新しいエネルギー源として社会から広く注目されている。しかしその実現には,光電変換効率や寿命の向上などの課題が山積している。それらを解決するためには,有機・無機の合成化学,物性研究,薄膜作製技術,デバイス特性評価解析研究などを取り込んだ重層的な学際領域の研究に基づく,さらなるブレークスルーが不可欠である。本講座では,新進気鋭,若手の松尾豊特任教授ならびに岡本敏宏特任助教を中心に,大学院生,学部生ならびに三菱化学科学技術研究センターからの研究員で行う産学協同研究により新しい有機・無機材料の開発やデバイス動作機構の解明に取り組む。

この理学系初の社会連携講座において「知の創造」から「社会への還元」につながる新しい研究教育スタイルを提供することにより,環境・エネルギー問題の解決に向けた化学的アプローチの開拓に意欲をもつ国際的な若手人材を育成する。