堀正樹博士のヨーロッパ 若手研究者賞(EURYI)受賞

早野 龍五(物理学専攻 教授)

ノーベル賞受賞者T. フント(Tim Hunt)博士(左)よりEURYIを授与される堀正樹博士 (右)(写真提供 ESF)

日本学術振興会特別研究員(PD)で,物理学専攻早野研究室所属の堀正樹博士は,ヨーロッパ科学財団より第四回ヨーロッパ若手研究者賞(European Young Investigator Awards:EURYI)を受賞し,去る9月27日にヘルシンキで授賞式が行われた。これは日本人初の受賞である。 EURYIは人文科学を含むすべての研究分野の,ポスドク経験2年以上10年以下の若手研究者から“best and brightest”を選抜し,ヨーロッパ内の研究機関において独立の研究グループを率いるチャンスを与える制度で,受賞者には賞金約2億円(本人の5年分の給与を含む)が授与される。選考は欧州各国での予備審査で約500名に絞った上,書類審査と面接で20名を選ぶという厳しいものだったが,堀博士は「反物質原子の精密レーザー・マイクロ波分光-反物質制御の新技術」という意欲的な研究テーマで見事に栄冠を勝ち取った。

堀博士はこれまでもCERN研究所(スイス)にて反陽子原子の精密レーザー分光による物質と反物質の質量比較などの顕著な成果を上げており(理学部ニュース38巻2号P.7),今後は2005年のノーベル物理学賞を受賞した,マックス・プランク研究所(ドイツ)のT. ヘンシュ(Ted Hansch)教授のグループ内に独立研究室を組織し,大学院生やポスドクを指導しつつ,CERN研究所における反物質研究を推進することになっている。