リサ・ランドール博士の来日記念講演「Warped Passages」

向山 信治(附属ビッグバン宇宙国際研究センター 助教)

2007年7月28日(土),世界的に著名な宇宙論学者であるリサ・ランドール博士(Lisa Randall,ハーバード大学教授)をお迎えし,小柴ホールにて,標記のタイトルで講演会が開催された。 この講演会は,ビッグバン宇宙国際研究センターとNHK情報ネットワークの共催で開かれたもので,本学の学生をはじめ,科学に興味をもつ人々で満席となった。その様子は8月7日にNHK「おはよう日本」で紹介され,同25日のNHK BS特集「リサ・ランドール異次元への招待」では,講演会翌日の学生たちとの交流を含めた内容が放映された。

全米ベストセラーとなった博士の著書(邦訳:ワープする宇宙)と同タイトルの講演では,博士がサンドラム博士と共に提唱した「ワープした余剰次元」について,わかりやすく説明していただけた。この理論では,目には見えない隠れた5番目の次元がワープ(歪曲)することで,物理学における難問「階層性問題」が解決される。まもなく始まる大型加速器実験で理論が検証される可能性があるため,この時期に日本で講演していただけたのはたいへん意義深いことであった。また,講演後には脳学者・茂木健一郎氏との公開対談があり,著書や講演だけからは知りえない内容に満場の聴衆が聞き入った。

全国版ニュースで約8分, BS特集では50分にわたって基礎科学が詳しく紹介されたことで,科学の面白さや,物理学に取り組む若者たちの真剣さが,一般の人々にも伝わったことだろう。理学の研究・教育に携わる者として,とても嬉しく思う。最後に,企画段階からご協力いただいた理学部広報室の皆様に,この場をお借りして感謝の意を表したい。