05 地球惑星物理学科

大気の流れが数式で書ける!謎の地震が!宇宙が!

Presenter

理学部地球惑星物理学科

理学部地球惑星物理学科

  • 4年 矢部 優さん
  • 4年 澁谷亮輔さん
  • 3年 森 愛美さん

「地面の下のことがわかれば、大きな地震の理解に対しても貢献できる」と矢部さん。澁谷さんは新たに東大が設置した南極のレーダーに思いを馳せる。これにより、南極において高分解能、高精度の観測が、対流圏から電離圏までの広い高度領域で可能になるという。森さんは「はやぶさ2」が、彼女自身、開発を手伝ったという“スコップ”で何を持って帰ってくるかを楽しみにしている。三者三様、テーマに注ぐ視線は熱い。

「空の青色が好きなんです」

澁谷亮輔さんは、窓の外に目をやる。青空をバックに安田講堂がそびえる。「昔から空や雲を見るのが好きでした。最初はただ好きだったのが、天気予報などを見て、なんで雲ってこういう動きをするんだろう、って不思議に思うようになりました」

それでこの学科に入り、感動した。

「ステキだと思っていた大気の流れが数式で記述できたから!ところがその一方では 完全に理解されていないものも多くて。だからこそ“より知りたい!”と思わせてくれるんです」

そこにロマンがあるのだ、と微笑む。

新しい現象に魅了されたのは矢部 優さん。研究対象は「ゆっくり地震」だ。普通の地震に比べてはるかに遅い速度で断層が滑る現象で、2012年1月、東京大学地震研究所では、それが東日本大震災の前に震源周辺で起こっていた可能性を指摘した。

「“南海トラフ固着域の下端の近くでも起きていて、システムとして関係あるのではないか”という話を聞いたんです。そういう謎の現象があるのか!って」

将来的には地球深部の構造を知るヒントになるのでは、と考えている。

「地球は地下30㎞の世界でさえ、誰も直接見たことがない。宇宙でははやぶさが何億㎞も先まで直接行ってるのに。ゆっくり地震の起きる条件なんかがわかれば、より高い解像度で地面の下のことがわかるようになるのではないかって」

森 愛美さんは、「宇宙に手が届く」ことがこの分野の魅力だという。

「夢だと思っていた宇宙が、この学科に入ったら現実になったんです(笑)。理論を追究するだけではなくて、対象を観測したり手に取るように見ることもできる。宇宙はまだ謎が多いだけに、すごいことだなと思っています」

そして先ごろ取り組んだ「はやぶさ2」に搭載するパーツを開発した話を語る。ついで澁谷さんが、南極にできた新しいレーダーの話を語る。3人とも、語り始めたら止まらない。

「地球の内部からおおよそ太陽系サイズの宇宙まで、身近な自然の営みを物理によって解明するのが僕たちの学科なんです」(矢部さん)

photo/稲田 平