04 天文学科

ここ数年、天文の分野は新しい発見が目白押し。熱いです!

Presenter

理学部天文学科

理学部天文学科

  • 林研究室 修士課程1年 Kyle Medeさん
  • 小屋松 進さん
  • 尾中研究室 修士課程1年 森 珠実さん

「星を見せると泣きやむ赤ん坊」だったというカイルさん。10代のころから天文雑誌を愛読していたが、家具職人を目指したり、海洋大学に通った経歴も持つ。今は「第二の地球」を目指す。一方、小屋松さんは東大に入ってから天文を志した。「これ、どうやってできているんだろう?」の精神から、お菓子作りや洋服作りも趣味とする芸達者(?)。森さんは、中学時代、友だちのつきあいで出向いた天文部からどっぷり。「大学ではやろうと思っていなかったんですけど、“冥王星が惑星かどうか”の会議を観て、面白そうだなーって(笑)」

「絶対にあるね!」とカイルさんは、そこだけ日本語で力強く言った。

カナダから来たカイルさんは「第二の地球」を見つけようとしている。それは、太陽系の外にある、生物が住める惑星。地上から天体を観測しても平面的な情報しか得られない。

だがカイルさんは、時期をずらして星を撮影し、その運動を見る。そして自作のプログラムで「その星の軌道を10の19乗個ぐらいのパターンでシミュレートします。実際に観測した点をどの程度再現しているかを見積もり、正しい軌道を導き出す」。

恒星同士の連星系3つの軌道を見極め、今後は恒星と惑星の軌道について調べる予定。惑星の軌道がわかれば、そこが生命に適した環境かどうかがわかるという。

小屋松 進さんの研究テーマは「星や惑星の誕生」。生まれたばかりの星は電波を放射するという。巨大なパラボラアンテナを使ってその電波を観測する。「長野県野辺山にある口径45mの電波望遠鏡で星や惑星の材料を観測しています。

今いちばんホットなのはチリの『ALMA』望遠鏡です。ぜひ観測してみたいです」

実は、星や惑星がどのように生まれるのかに関してはあまりよくわかっていないという。「星形成の研究は地球や人類の起源にもつながります。僕らの体を構成しているような有機物が観測されれば、宇宙人の手がかりになるかもしれません」

森 珠実さんは「あかり」という赤外線天文衛星により獲得されたデータを使って、星間物質の研究をしている。星間物質とは、宇宙空間に存在するガスや固体微粒子のことだ。これが集まって星の材料になり、その星が一生を終えれば再び宇宙空間に放出される……

でも、実際の宇宙空間で物質がどのような状態で存在しているのかについてはいまだ謎だらけ。「非常にチャレンジングな分野だと思うので、若い人もぜひこの機会に赤外線天文学、もとい星間物質の研究に興味を持ってほしいですね!あ、あと、JAXAで今『SPICA』っていう新しい赤外線天文衛星のプロジェクトも進行中なので、これも応援していきたいなと」

これが、赤外線天文衛星「あかり」から赤外線を通して観た宇宙の姿。赤外線で観測することで、普通目には見えないガスや塵たちが、銀河系の中でどのように分布しているかを観ることができるという。

photo/稲田 平