量子コンピューター・ハードウェア・テストセンター開設

理学部広報室/広報誌編集委員会編

東京大学とIBMは,ハードウェア・テストセンター「The University of Tokyo – IBM Quantum Hardware Test Center」を浅野キャンパス内に開設し,より大規模な量子コンピューターの動作環境を再現するプラットフォームである「量子システム・テストベッド」を設置した。

東京大学に設置した量子システム・テストベッド

福山 寛 東京大学名誉教授

設計から搬入設置にいたるまでIBMとともに重要な役割を担った,福山寛東京大学名誉教授は次のように語る。「今回導入された 超伝導量子ビット型量子コンピュータのベースとなる設備は,10ミリケルビン(絶対零度まで1/100ケルビン)の極低温環境を作り出すヘリウム3−ヘリウム4希釈冷凍機で,COVID-19パンデミックの中,わずか7ヶ月という期間で多方面からのサポートや協力のもと設置完了した。また,同時期に低温科学研究センターに導入された希釈冷凍システム と極低温マイクロ波実験用エレクトロニクスは,広い意味での量子技術イノベーションにつながるアイディアを検証実験することができる。 東京大学量子イニシアティブにおける「ハードウェア道場」を目指して,ここで原理を検証できた新技術を,量子システム・テストベッドを使った実用化実験に進むことも期待している。」

本センターの開設は,2019年12月にIBMと東京大学が発表した「Japan–IBM Quantum Partnership」に基づいたもので,量子コンピューター技術の開発に向けた共同研究やソフトウェアの開発,若手人材の教育・育成を含め,量子コンピューターの研究・開発を進めるための日本の産学連携プログラムとして位置づけられている。  

近い将来,ここから日本発の研究成果が世界に発信されることを心より期待している。

理学部ニュース2021年9月号掲載


 

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