日本化学会欧文誌 創刊号

Bulletin of the Chemical Society of Japan
Vol. 1, No. 1

後藤 佑樹(化学専攻 准教授)

日本化学会刊行
「日本化学会欧文誌」第一巻第一号
Bulletin of the Chemical Society of
Japan Vol.1,No.1
※日本化学会所蔵の未製本版を撮影
第一巻 第一号の最初のページ。この序文は本学の片山正夫先生(化学科)によって執筆された

これは,日本化学会が刊行する英文学術雑誌の創刊号 (1926年1月号)である。その後,本誌は戦時中/後の2年間を除いて脈々と発刊が続き,今年で第93巻を数えている。この創刊号には5報の論文が掲載されているが, 当然のことながらすべて日本人による執筆であった。だが,現在では年間200報以上(その約3割は海外の研究 グループからの投稿である)の論文が掲載されるまでに成長しており,日本発の学会誌としては異例の高インパクトを誇っている。

化学者であれば知らない者はいない本誌ではあるが,L- グルタミン酸ナトリウム(言わずと知れた「味の素®」の主成分(表紙参照))の発見者であり,本学理学部化学科で活躍された池田菊苗先生の還暦祝を発端として創刊されたことはあまり知られていないかもしれない。創刊号の序文には池田先生の業績と共に,日本の化学論文のプレゼンスを高めたいという先生のご意志で本誌が創られた経緯が記されている。なお,この序文を含め,1991年以前の本誌はウェブサイト(https://www.journal.csj.jp/loi/bcsj)で全文公開されているので,興味があればぜひご覧いただきたい。本誌に掲載されてきた先達の論文を拝読すると,日本の化学研究の歴史を改めて認識すると共に,さらに発展させていく責務を強く感じさせてくれる。

 

 

 

 

 

 

 

理学部ニュース2020年3月号掲載



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