龔 宗平 ゴンゾンピン氏が第10回日本学術振興会育志賞を受賞されました

上田 正仁(物理学専攻 教授)


龔宗平氏

近年、冷却原子や冷却イオンを用いた量子シミュレーターの飛躍的な発展のおかげで、対称性が破れた状態を創りそのダイナミクスを制御することで、非平衡系におけるトポロジカル現象を高い制御下で研究することが可能になり、平衡系の物理が非平衡状態でどう変更・拡張されるかを明らかにすることが喫緊の課題となっている。しかし、既存の理論では不十分で新たなアイデアやブレークスルーが求められている。

龔宗平氏はこの挑戦的課題に取り組み、数多くの斬新かつ本質的な成果を挙げてきた。同氏の研究スタイルの特筆すべき特徴は、最先端の課題に取り組みながらも流行に流されず、膨大な最先端成果を詳細に把握した上で真にオリジナルな未解決問題を同定し、それを高度な理論と実験に関する深い造詣をフル活用することでエレガントに解決する点にある。具体的には、散逸系、周期駆動系、クエンチダイナミクスという非平衡系の主要な状況設定におけるトポロジカル現象の研究で顕著な成果を挙げた。龔氏は当該分野の世界的権威であるIgnacio Cirac氏と共同研究をするなど国際的にも活躍している。龔氏の卓越した研究能力は研究者の間でも知られており、その謙虚な人柄も相まって後輩や同年代の研究者からも大きな尊敬を集めている。この意味でも、龔氏は育志賞にふさわしく、心からお祝いを申し上げます。

理学部ニュース2020年3月号掲載

 



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