物理学専攻の大屋瑶子助教が第35回井上研究奨励賞を受賞

 山本 智(物理学専攻 教授)


大屋瑶子助教

物理学専攻の大屋瑶子助教が第35回井上研究奨励賞を受賞されました。大屋氏は、本研究科物理学専攻の大学院課程時から、アルマ望遠鏡を用いて太陽型原始星の近傍に付随するガスの物理・化学構造を電波スペクトル線観測によって調べ、星・惑星系形成分野で大きな成果を挙げて来られました。原始星周りの回転落下エンベロープ、その内側の原始星円盤、そして原始星から噴き出すアウトフローの基本物理モデルを構築し、6個の若い原始星天体の観測結果に適用しました。その結果、(1)これらの原始星の物理構造はいずれも提案した物理モデルでよく表されること、(2)物理構造は共通しているにもかかわらず、数10天文単位のスケール(太陽系サイズ)での化学組成は天体ごとに大きく異なっていること、そして、(3)化学組成が回転落下エンベロープの遠心力バリア近傍で大きく変貌することを示しました。これは、星形成から惑星系形成に至る物理過程と物質進化の核心を突くものであるとともに、惑星系の物質的起源の多様性を示唆する重要な発見であり、物理学、天文学、地球惑星科学の分野にインパクトを与えました。今回、これらの点が評価されて受賞につながりました。大屋氏は学位取得後、物理学専攻の助教として同分野を中心に研究・教育に携わっておられ、今後の一層の活躍が期待されます。

このほか,第11回井上リサーチアウォードに,数理科学研究科の今井直毅准教授(数学科兼担)が受賞されました。
まことにおめでとうございます。

理学部ニュース2019年3月号掲載

 


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