「金属クラスターの化学
 -新しい機能単位としての基礎と応用」

佃 達哉(化学専攻 教授)


佃 達哉(著)
「金属クラスターの化学
- 新しい機能単位としての基礎と応用」
サイエンス社(2017年出版)
ISBN 978-4-7819-1406-0

化学が好き!という皆さん,理学部で化学を「研究」してみませんか?化学に関する知的欲求を満たすだけでなく,まだ誰も知らない現象や新しい反応を探索したり,社会に役立つ新物質を創り出す研究活動を体験してみませんか?

私が所属する理学部化学科では,教員と学生が,多彩な化学のフロンティアを目指して日々研究に取り組んでいる。私が主宰する化学反応学研究室では, 1ナノメートル程度の大きさの「金属クラスター」とよばれる超微粒子を扱っている。金属クラスターは,微小化に起因する特異的な性質を示し,構成原子数によってその性質が劇的に変化することから,機能性物質の構成単位として注目されている。クラスターの研究も他と同様に,さまざまな関連分野の知識と技術,さらにセンスとガッツを必要とする総合格闘技だ。そこで,クラスター研究の最前線への近道を提供することを目的として書いたのが,この本である。前半では,クラスターに関する基本的な原理・原則と,それらを明らかにするための実験手法を図説した。この部分の狙いのひとつは,真空中に孤立した超希薄な金属クラスターの新しい評価法の開発にあたって科学者が発揮した創意工夫の素晴らしさを共感していただくことである。後半では,化学的な合成法・評価法を含めて,物質化学としての研究最前線を紹介している。この本が,皆さんが新たな問題意識をもつきっかけとなれば幸いである。

理学部ニュース2018年9月号掲載

 

 

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