ショクダイオオコンニャクが小石川植物園で開花

邑田 仁(植物園 教授)

開花したショクダイオオコンニャク

理学系研究科の附属施設,小石川植物園は,野生熱帯植物の収集に長い歴史をもち,現在でも珍しい植物を多数保有している。温室が小さいため,多くの種類を同時に長期間維持することは難しいが,小石川が親元となり日本各地の植物園に分譲されて活躍している植物は少なくない。ショクダイオオコンニャクはインドネシアのスマトラ島だけに生育する希少植物であり,高さ3メートル,直径1メートル以上にもなる大きな花序を咲かせ,悪臭を放つので有名である。1991年に一度開花させており,日本最初の開花であったが,その株は3年で枯死してしまった。その後,1993年に複数の種子を入手し,これから育てた株のうちの1株が次第に成長して,今回,2010年7月22日夕方から開花した。高さ約1.5 mの中型の花序だった。これに先立ち2008年に鹿児島で開花した2株,東京都内で開花した1株はいずれも小石川植物園から分譲した姉妹株であり,浜松で咲いた別系統の1株に次いで,今回の開花は日本で6例目となった。開花前から新聞・テレビに何度も取り上げられたため,猛暑の中,開花後の3日間だけで2万人もの方が来園された。すこしでも観覧スペースを確保するため,温室から広場に出して展示したが,施設の収容能力を超える人出となり,十分に観察していただけなかったことが反省される。現在進行中の Life in Green 計画を通じて,注目度にふさわしい施設に整備していきたい。