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Press Releases

DATE2023.02.24 #Press Releases

炭素質小惑星(162173)リュウグウの試料中の可溶性有機分子

 

宇宙航空研究開発機構(JAXA)

九州大学、海洋研究開発機構、名古屋大学、京都大学、
広島大学、東北大学、北海道大学、東京大学大学院理学系研究科

 

発表概要

「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星リュウグウ試料を主に溶媒で抽出することにより、含まれる可溶性有機分子を分析した。リュウグウは小惑星帯で最も多いC型小惑星に属する暗い始原的な小惑星で、炭素質コンドライト隕石のような含水鉱物に富んでいる。始原的な炭素質コンドライトにはアミノ酸を含む様々な可溶性有機分子が存在することが知られており、生命の誕生につながる前生物的有機分子を初期の地球や他の天体に供給した可能性がある。本研究では1回目のタッチダウンサンプリングで得られたリュウグウ表面試料に含まれる有機分子を日米欧の研究チームで分析を行った。その結果、アミノ酸やアミン、カルボン酸、芳香族炭化水素、含窒素環状化合物など種々の有機分子が検出された(図)。これらの有機分子はリュウグウ表面から放出されて他の天体に運ばれる可能性もあるし、有機資源としても利用できるかもしれない。

 


© JAXA, University of Tokyo, Kochi University, Rikkyo University, Nagoya University, Chiba Institute of Technology, Meiji University, University of Aizu, AIST, NASA, Dan Gallagher.
図:小惑星リュウグウの表面試料から見つかった有機分子の概念図

 

なお、本研究成果には東京大学から以下のメンバーが参加しています。

橘 省吾 初期分析チーム統括、宇宙惑星科学機構/地球惑星科学専攻 教授
杉田 精司 地球惑星科学専攻 教授
諸田 智克 地球惑星科学専攻 准教授
古屋 静萌 宇宙惑星科学機構 特任専門職員

 

詳しくは、宇宙航空研究開発機構 のホームページをご覧ください。

 

発表雑誌

雑誌名 Science 
論文タイトル
Soluble organic molecules in samples of the carbonaceous asteroid (162173) Ryugu
DOI番号

10.1126/science.abn9033