超高温・超短周期の海王星型惑星を発見
東京大学大学院総合文化研究科附属先進科学研究機構
東京大学大学院理学系研究科
概要
東京大学大学院総合文化研究科附属先進科学研究機構の成田憲保教授、大学院理学系研究科天文学専攻の田村元秀教授らの参加する国際研究チームは、NASAが打ち上げたトランジット惑星探索衛星TESSと地上望遠鏡の連携した観測により、公転周期が19時間しかなく、惑星の温度が摂氏1,700度を超えると見込まれる超高温・超短周期の海王星型惑星LTT 9779 bを発見しました。
LTT 9779 bは、半径は地球の約4.7倍、質量は地球の約29倍で、海王星をやや大きくしたような系外惑星です。2020年までに4,000個を超える系外惑星が発見されてきましたが、これまで公転周期が1日未満の海王星型惑星が発見されたことはなく、そのような超短周期の軌道は「海王星砂漠」とも呼ばれていました。今回発見されたLTT 9779 bは、海王星砂漠で初めて発見された海王星型惑星です。LTT 9779 bは、超高温となった海王星型惑星がどのような性質の大気を持つのか、また、どのように生まれたのかを詳しく調べる絶好の観測ターゲットになります。
図:今回発見されたLTT 9779 bの質量・半径を、これまでに発見された系外惑星の質量・半径と一緒にプロットした図。LTT 9779 bがこれまでに惑星が発見されていなかった領域にあることがわかる。薄青の丸はトランジットを使って発見された惑星で、黄色の丸は「視線速度」と呼ばれる惑星が主星の周りを公転していることによって生じる主星の速度変化を観測する方法で発見された惑星。(Nature Astronomy誌掲載論文の図を一部日本語に改変して引用)
本研究成果は2020年9月21日(英国夏時間)、国際科学雑誌「Nature Astronomy」にオンライン掲載されました。
詳細については、こちらのリリース原稿をご覧ください。
―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―