2018/11/30

超巨大ブラックホールを取り巻くドーナツ構造の正体を暴く

 

国立天文台

東京大学大学院理学系研究科

 

 

概要

国立天文台の泉拓磨氏、鹿児島大学の和田桂一氏を中心とする研究チームは、アルマ望遠鏡を使ってコンパス座銀河の中心に位置する超巨大ブラックホールを観測し、その周囲のガスの分布と動きをこれまでになく詳細に明らかにすることに成功しました。活動的な超巨大ブラックホールの周囲にはガスや塵のドーナツ状構造が存在すると考えられてきましたが、その成因は長年の謎でした。

今回の観測結果とスーパーコンピュータによるシミュレーションを駆使することで、超巨大ブラックホールの周囲を回りながら落下していく分子ガス円盤と、超巨大ブラックホールのすぐ近くから巻き上げられる原子ガスの存在が浮かび上がり、これらの「ガスの流れ」が自然とドーナツ的構造を作っていることが確かめられました。この結果は、存在そのものは天文学の教科書に掲載されていながら、その詳しい構造・運動・形成メカニズムがわかっていなかったドーナツ状構造の正体を暴いた、重要な成果といえます。

 

図. 超巨大ブラックホールを取り巻くガスのイメージ図。(1) ブラックホールを取り巻く円盤の中で、回転しながらブラックホールに落下するガス、(2) ブラックホール周辺から噴き上げられるガス、(3) (2)の一部が重力によって円盤に落下してくる成分、の3つが合わさることでドーナツ構造ができています。

 

本研究成果は10月30日発行の米国天文学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル」に掲載されました。なお、本研究には、天文学敎育研究センターの河野孝太郎教授が参加しています。

 

詳細については、国立天文台アルマ望遠鏡 のホームページをご覧ください。

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―