2015/11/13
体内時計を駆動する日周性酵素反応を発見
発表者
- 東邦大学
- 東京大学
概要
全身の細胞で時を刻む体内時計は、さまざま生理機能が最適な時刻に働くベースとなる。現代社会のライフスタイルによる体内時計の乱れは、生活習慣病、癌等のさまざまな疾患の増加の一因となっている。体内時計は、いくつかの時計タンパク質で構成される中核ループと、複数の調節ループが互いに歯車(ギア)として巧みに噛み合って、1日周期で作動している。今回、東邦大学医学部の田丸輝也講師、東京大学大学院理学系研究科の小澤岳昌教授らは、体内分子時計の複数の歯車を連動させるクリティカルな歯車(調節ループ)として、CK2という酵素による時計タンパク質BMAL1の日周性リン酸化反応のプロセスを、光を利用したリアルタイム測定などで捉え、日周性酵素反応の振動メカニズムを解明した。この振動には、時計タンパク質CRY(クリプトクローム)による酵素活性の抑制が重要な役割を果たしていた。
本成果は日周性酵素反応を標的とする新たなアプローチから医療に貢献することが期待できる。
この成果は、「PLoS Biology (プロスバイオロジー)」のオンライン版(11月12日, 13(11):e1002293)に掲載された。
詳細については 東邦大学 のホームページをご覧ください。