2015/09/28

紀伊半島の沖合に古く硬い地質帯を発見

発表者

  • 九州大学
  • 東京大学

概要

九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER)の辻健准教授、東京大学の木村学教授らの研究グループは、南海トラフで取得された地球物理データと深海底掘削で得られた地質試料の年代測定結果を用いることで、これまで知られていなかった古い地質帯が、紀伊半島の南東岸に沿って沖合40kmくらいまで分布していることを明らかにしました。この古い地質帯は硬く、地震の際に変形を起こさないことや、その海側にある新しい地質帯を変形させていることが分かりました。さらに今回の結果から、過去の南海トラフは紀伊半島の南東岸と平行に発達し、現在の位置とは異なっていたことが明らかになり、南海トラフが現在の位置に移動したのは、地質学的には最近の200万年前以降であることも分かりました。

今回、明らかになった古い地質帯は、潮岬沖で南側(トラフ側)へ突き出しており、それが巨大地震の破壊域の境界(例えば、1944年東南海地震と1946年南海地震の境界)に影響していることも分かってきました。つまり古い地質帯は、南海トラフで発生する地震の連動性や規模を考える上でも重要であると考えられます。

本研究成果は、2015年9月22日(火)にElsevier社の国際学術誌「Earth and Planetary Science Letters」のオンライン版で公開されました。

詳細については 九州大学 のホームページをご覧ください。