2014/5/16 (配信日5/15)

酸窒化物で初めて強誘電体的な挙動を観察

発表者

  • 科学技術振興機構
  • 東京大学 大学院理学系研究科
  • 神奈川科学技術アカデミー(KAST)

概要

JST 課題達成型基礎研究の一環として、東京大学の長谷川 哲也 教授らのグループは、金属酸窒化物の薄膜結晶の一部で、酸窒化物では初めての強誘電体的な挙動を観察しました。

酸窒化物は、金属が酸素と窒素の両方と結合した物質で、酸化物、窒化物に続く新たな電子機能材料として期待されています。しかし、従来法で得られる紛体試料は正確な電気測定が難しく、高品質な結晶の合成が望まれていました。

本研究では、レーザーとプラズマで原材料を気化・活性化して反応させる窒素プラズマ支援パルスレーザー堆積法を用いて、代表的な酸窒化物材料であるペロブスカイト型SrTaO2Nの薄膜結晶を合成することに成功しました。合成条件を最適化した結果、この薄膜結晶は酸化物や窒化物などの不純物を含まず、さらに薄膜中に強誘電体的な応答を示す微小領域が存在することを明らかにしました。このような強誘電体的挙動が観察されたのは酸窒化物では初めての発見です。

SrTaO2N薄膜は青色から緑色の可視光を吸収できるため、強誘電体を用いた光センサーや太陽電池に利用することで、変換効率の向上につながる可能性があります。また、第一原理計算の結果、今回観察された強誘電性は、結晶内での酸素と窒素の並び方に関係があることが示唆されています。今後、酸窒化物を用いた新たな電子材料を開発する上で重要な指針になると考えられます。

詳細について 科学技術振興機構 のホームページをご覧ください。