2012/10/24
日本海とオホーツク海の広い海域に表層ガスハイドレート
発表者
- 松本 良 明治大学特任教授/北見工業大学特任教授/東京大学名誉教授
- 登尾 浩助 明治大学 農学部農学科教授
- 高橋 信夫 北見工業大学・研究担当副学長/工学部教授
- 角和 善隆 東京大学 総合文化研究科広域システム科学系助教
- 荻原 成騎 東京大学 理学系研究科地球惑星科学専攻助教
- 大井 剛志 東京大学 理学系研究科地球惑星科学専攻特任研究員
- 戸丸 仁 千葉大学 理学研究科地球生命科学専攻准教授
- 落合 博之 明治大学 研究知財戦略機構ガスハイドレート研究所研究推進員
- 弘松 峰男 明治大学 研究知財戦略機構ガスハイドレート研究所研究推進員
概要
「表層ガスハイドレート研究コンソーシアム」は2011年および2012年の夏、日本海とオホーツク海の排他的経済水域内において6回の総合的学術調査を行い、日本海東縁および北海道網走沖の表層堆積物中から塊状ガスハイドレートの回収に成功した。これら海域および日本海南西縁の調査海域において、表層ガスハイドレートの集積を示唆する多数のガスチムニーとメタンプルームを確認した。さらに堆積物コアの分析から、これら海域では深部からのメタンの供給(メタンフラックス)が極めて高いことを明らかにした。本コンソーシアムの前身である東京大学を中心とする研究グループは2004年より日本海東縁上越沖においてガスハイドレートの産状と起源を解明するための学術調査を実施しているが、表層ガスハイドレートの集積は常にガスチムニーをともない、強いメタンフラックスで特徴付けられることを明らかにしている。今回の調査により日本海と網走沖オホーツク海の複数の海域で表層ガスハイドレートあるいはその存在を強く示唆するガスチムニーが多数確認されたことは、学術的にも資源探査の上からも極めて重要な意味を持つものと言える。
本研究を進めるにあたり科学研究費補助金(基盤A 2007-2010, 2012-2013)、産業技術総合研究所との共同研究/受託研究(2010-2012)、東京大学運営交付金、明治大学特定個人研究費およびその他の外部資金を使用しました。記して謝意を表します。
詳細について明治大学のホームページをご覧ください。