2010/12/20

海洋教育促進研究センター(日本財団)プログラムの発足について

事業趣旨

図1

合意書を取り交わす東京大学濱田総長と日本財団笹川会長

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東京大学は、初等・中等教育レベルにおける海洋教育の普及推進と政策提言を実施するため、機構海洋アライアンス内に下記プログラムを発足させる。

設置目的

  1. 「海洋基本法」の理念のもと、初等・中等教育レベルにおける海洋教育の普及推進を目的とする。
  2. さらに、海洋教育の促進に協力する全国の大学、小・中・高等学校等と連携し、海洋教育の普及推進に関わる研究と実践のハブ拠点としての機能を果たす。

事業規模

2.3億円

事業期間

2010年10月1日から2013年3月31日

センターに設置する二つの学問分野ユニット

  • 海洋教育政策学ユニット
  • 海洋人材育成学ユニット

計画

「海洋教育促進研究センター(日本財団)プログラム」(以下、「本センター」という。)は、機構東京大学海洋アライアンス内に設置し、海洋アライアンスの支援と協力のもとに事業を遂行する。 また本事業は、日本財団、海洋政策研究財団と連携し、三者で協議のうえ形づくっていくものとする。

  1. 「海洋教育政策学ユニット」に於ける活動計画
    1. 「海洋基本法」第28条の趣旨にもとづく海洋教育の内容を、次期の学習指導要領に組み入れる提言を行うことを目標とする。
    2. 初等・中等教育課程における海洋教育プログラム、カリキュラムの研究に取り組む。具体的には、海洋教育の内容と教科の連関性を明らかにするとともに、教育プログラムを開発し、実践事例を収集する。
    3. 海洋教育を担う教師育成プログラムを作成する。具体的には、教師の養成・研修プログラムを開発し、拠点大学、協力校とのネットワーク化を推進する。
    4. 海洋教育促進支援制度モデルの研究と構築を行う。具体的には、学習指導要領改正に向けての制度的準備として、学際的協同システムの構築、教師支援システムの構築、学校支援システムの構築、を行う。
  2. 「海洋人材育成学ユニット」に於ける活動計画。
    1. 社会における海洋関連問題の幅広い受容に向けた取り組みの在り方の研究を行う。 日本国民の海洋に対する意識が希薄である状況を改善するため、その原因の解明と海に触れる機会を増やすための方策を検討し、地元の海を活用することで、繰り返し体験を推奨していく。
    2. 海洋教育に必要な学際的教育素材の研究と開発を行う。 現場教員・地域コミュニティの指導者達の参加を求めつつ、開発した教材が活用されるための地域ネットワークおよび広域ネットワークの構築に努める。 広域ネットワークの構築にあたっては、教育委員会や日本財団のCANPAN(日本財団公益コミュニティサイト)を通じた公益事業ネットワークと連携をとり、日本各地への展開を視野に入れる。 平成22年度はモデルケースとして、神奈川県三浦市三崎の海洋生物学、地球科学を取りあげ、地域密着型の教材製作を試みる予定である。
    3. 海洋教育に取り組む学生・大学院生の教育と人材育成の在り方の検討を行う。 文部科学省と、東京大学海洋教育ネットワークおよび、学生・大学院生が参画することで、この分野の人材育成をはかる。
  3. 本センターは、独自の事業を遂行しつつ、海洋教育を促進する全国の大学と学校の研究と実践をつなぐハブ・センターとしての機能をめざす。 当面、横浜国立大学、琉球大学等の拠点大学と連携し、毎年2回ハブ会議(仮称)を開催して年度ごとの事業の連携と協力を企画し、合同のシンポジウム、合同の研究誌の刊行を行う。
  4. 海洋教育を専門とする研究者の育成を行う。 教育学の研究者、海洋関係の研究者、教師および教育行政関係者を対象にして、特に若手研究者の育成につとめて、専門的な海洋教育研究者の育成を行う。
  5. アウトリーチ(研究成果の公表と提言)を積極的に行っていく。
    1. 地域密着型の海洋教育の教材資料集(教科書)の作成と出版。
    2. セミナー、ワークショップによる海洋教育カリキュラムの啓発活動と教師の研修活動
    3. シンポジウム(国内と国際、年1~2回開催予定)による研究成果の公表と交流。
    4. 本センターの事業を総括する研究報告書(年報)と啓蒙書の出版。
    5. 海洋教育カリキュラムの内容の具体的提示と海洋教育促進の政策提言。