2010/8/18
海底メタン湧出が引き起こすベニズワイガニの密集
- ホバリング型自律型海中ロボットによるモザイク写真観測で明らかに -
発表者
- 浦 環(東京大学生産技術研究所 教授)
- 中谷 武志(東京大学生産技術研究所 特任研究員)
- 松本 良(東京大学大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 教授)
- 戸丸 仁(東京大学大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 特任研究員)
- 弘松 峰男(東京大学大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 特任研究員)
- (独)海洋研究開発機構
概要
東京大学大学院理学系研究科 松本 良 教授及び同大学生産技術研究所 浦 環 教授を中心とする研究グループは、(独)海洋研究開発機構の研究船「よこすか」(船長:請蔵 榮孝)を母船とし、東京大学生産技術研究所海中工学国際研究センター(センター長:浦 環)が開発した小型の自律型海中ロボット(AUV:Autonomous Under Water Vehicle)「TUNA-SAND(ツナサンド)」(注1)を用いて、深海底の高解像度写真を連続的に撮影することに成功した。その結果、世界ではじめて、ベニズワイガニコロニーの平面分布が明らかになり、調査海域が漁場の一つとなっているベニズワイガニは海底からのメタン湧出の高い場所に選択的に密集することが分かった。
詳細について東京大学生産技術研究所のホームページをご覧ください。
用語解説
- 注1 Tuna-Sand(ツナサンド)
- 東京大学生産技術研究所、(独)海上技術安全研究所、(株)海洋工学研究所が(財)シップアンドオーシャン財団からの助成を受けて共同開発したホバリング型の自律型海中ロボット(AUV: Autonomous Under Water Vehicle)。2007年に初潜航をおこなっている。海底に接近して海底や沈没船の写真撮影することを主務とする。空中重量約 240 kg、最大潜航深度 1,500 m、潜航時間約4時間、毎秒 数十 cmの速度で海底の写真を撮影する。これまで、ベヨネース海丘、明神礁や黒島海丘などに潜航している。 ↑