2010/1/12

原子レベルで化学反応の可視化に成功

- 高分解能の電子顕微鏡観察でフラーレン分子の化学反応の仕組みを解明へ -

発表者

  • 越野 雅至(産業技術総合研究所ナノチューブ応用研究センターカーボン計測評価チーム 研究員)
  • 岡﨑 俊也(産業技術総合研究所ナノチューブ応用研究センターカーボン計測評価チーム 主任研究員)
  • 片浦 弘道(ナノテクノロジー研究部門自己組織エレクトロニクスグループ 研究グループ長)
  • 新見 佳子(科学技術振興機構 技術員)
  • 中村 栄一(東京大学大学院理学系研究科化学専攻 教授)

概要

独立行政法人産業技術総合研究所【理事長 野間口有】(以下「産総研」という)ナノチューブ応用研究センター【研究センター長 飯島澄男】カーボン計測評価チーム【研究チーム長 末永 和知】越野雅至 研究員、岡﨑俊也 主任研究員およびナノテクノロジー研究部門自己組織エレクトロニクスグループ 片浦弘道 研究グループ長は、独立行政法人科学技術振興機構(以下「JST」という)新見佳子 技術員、国立大学法人東京大学大学院理学系研究科化学専攻 中村栄一 教授と共同でフラーレン分子の二量化反応について、その反応性と選択性を原子レベルで解析することに成功した。

今回、単層カーボンナノチューブ中にフラーレン分子を閉じ込め、密度、温度、金属原子の効果、与えるエネルギーなどを変化させて反応性を最適化し、収差補正機構を備えた電子顕微鏡による高分解能観察技術を用いて、反応の可視化に成功した。一つひとつの分子の向きが反応に直接影響することなどが明らかになった。今後このナノテク分析技術を応用して、さまざまな反応機構の解明や新薬の開発といった分子設計などに幅広く応用されることが期待される。

なお、この研究成果は、JST 戦略的創造研究推進事業 ERATO型研究「中村活性炭素クラスタープロジェクト」(研究総括:中村栄一 教授)および同事業 チーム型研究(CREST)「物質現象の解明と応用に資する新しい計測・分析基盤技術」研究領域(研究総括:田中通義 東北大学 名誉教授)における研究課題「ソフトマターの分子・原子レベルでの観察を可能にする低加速高感度電子顕微鏡開発」(研究代表者:末永和知 研究チーム長)によって得られたものである。研究成果の詳細は、2010年1月11日午前3時(日本時間)に英国科学雑誌Nature Chemistryのオンライン速報版に掲載された。

詳細は産業技術総合研究所プレスリリースのページをご覧ください。