第5回 ESSVAP
アメリカの教育と大学
アメリカの学校では9月に年度が始まり、高校までが義務教育で、小・中・高はそれぞれ5、3、4年間となっている。大学は基本的に学士が4年間で、専門は東京大学のように2、3年次に決めるようになっていて、最初の2年間は教養科目を取る。ただし、この教養の時期は東大のように理系・文系の垣根がなく、理系志望でも哲学などの必修があったりする。
大学院の修士課程と博士課程は別々のコースに分かれていて、博士号を志望する生徒は学士取得後そのまま博士課程に入る。そのため、修士は2年、博士は5年となっている。また、より広い見識を得るために、大学と大学院は違う所に行くのが普通である。
アメリカの大学の授業料は高額だが、そのかわりスカラーシップの制度が充実している。そもそも日本の「奨学金」は学生ローンであり返済が必要だが、海外諸国の奨学金は給与である。その内容は学校によるが、コロンビアやプリンストンでは、払えない分は全額払ってもらえる制度がある。また学校が出すスカラーシップ以外にも、国や州が出すスカラーシップや学生ローンも存在する。
コロンビア大学
独立戦争前の1754年に創立された私立大学で、現在はマンハッタンの街中、セントラルパークの北にキャンパスがある。輩出したノーベル賞受賞者の数が世界一であり、第二次世界大戦でマンハッタン計画が行われた場所、Pulitzer賞の受賞場所としても有名である。
プリンストン大学
プリンストン大学は1746年に、アメリカで四番目に古い大学として設立された。34の学科、46の学際的プログラムがあり、とりわけ物理、数理科学において極めて高いレベルの研究が行われている。進歩的な学風で、経済的支援が手厚いことでも知られ、世界98カ国以上から学生が集まっている。

プリンストンのチャペル
ロックフェラー大学
ジョン・ロックフェラーが1901年に設立したロックフェラー医学研究センターを前身とする、医学、生物学に焦点を当てたアメリカ初の研究、教育施設である。「人類の利益のための科学」を理念に持ち、24人のノーベル賞受賞を輩出している。かつてロックフェラー医科学研究所に勤務していた野口英世の像が飾られており、現在、若い東京大学出身者もここで研究に勤しんでいる。

ロックフェラーのノーベル賞受賞者