理学部学生選抜国際派遣プログラム
シンガポールの大学・機関について
シンガポール国立大学 (National University of Singapore: NUS)

National University of Singapore (UNIVERSITY HALL)
シンガポールには3つの大きな大学があり、中でも最も歴史があり、一番の規模を誇るのがこのシンガポール国立大学 (NUS) である。NUSは1905年創立で、100以上の国を出身とする、3万の学生を有する。NUSが発展する大きな転機となったのは、1980年のシンガポール大学と南洋大学の合併である。これは2つの研究機関を一つに集約し、また英語を公用語として重視するという政府の意向が大きく働いた。(南洋大学は華僑の為の大学という起源があり、また後述する南洋理工大学 (Nanyang Technological University: NTU) は、この合併時に再構成された。)
NTUと比べると、NUSは幾分東大の雰囲気に近い印象を受ける。とはいえ、NUSの国際性は東大のそれを遥かにしのいでおり、英語や中国語が飛び交うキャンパスはエネルギーにあふれている。
(釋)
南洋理工大学 (Nanyang Technological University: NTU)

Nanyang Technological University
(School of Physical & Mathematical Science)
南洋理工大学 (NTU) は前述したように、1980年の大学合併時に理工系学部が独立する形で誕生した。理学部・工学部・商学部・文学部からなるほか、"National Institute of Education" と呼ばれる教員養成所も存在する。学内には合計16もの寮が存在し、学生や教員が暮らしている。シンガポール国立大学 (NUS) と比べると歴史は浅いが、建物は新しく開放的である。
NTUには、"CN Yang Scholars Programme" という制度が存在する。これは、1957年に35歳にしてノーベル物理学賞を受賞したCN Yangの名にちなんで設立されたプログラムである。選抜された理学部・工学部生は奨学金を与えられるほか、学部生の早い段階から研究に打ち込むことができる。中国やインドを初めとして、世界中から熱意のある優秀な学生が集結している。
(福嶋)
BIOPOLIS

BIOPOLIS (Genome)
Biopolisはシンガポール国立大学 (NUS)の近くに位置しており、生物・医学系の研究機関の集まった建物で構成されている。Phase 1 (Chromos, Helios, Centros, Nanos, Matrix, Proteos, and Genome) は2004年に、Phase 2 (Neuros and Immunos) は2006年に完成しており、現在の9つのビルに加えて、さらにPhase 3、Phase 4と建設を進める予定だ。
政府資金を研究費とする多岐にわたったバイオ系の公的研究機関(分子生物学、神経科学、ゲノム科学、バイオインフォマティクスなど)の他にも、他国の大学・企業の研究所も多く含まれており、たとえば2007年からはGlaxoSmithKlineなどといった、世界レベルの製薬会社の研究施設が入っている点も特徴的である。基礎生物学の研究者から、商用を目指した応用研究に関心を持つ会社まで、幅広い研究者コミュニティが関わり合う環境を目指している。
(川口)