2020/04/17

土松隆志准教授が令和2年度文部科学大臣表彰若手科学賞を受賞

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土松隆志准教授


生物科学専攻の土松隆志准教授が令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞されました。受賞対象は「植物における適応形質の進化の遺伝的基盤に関する研究」です。

植物は自家受精を避けるため、自己の花粉を認識して拒絶する自家不和合性という機構を発達させています。しかし、モデル植物であるシロイヌナズナをはじめ一部の植物は、自家不和合性を失いもっぱら自家受精で子孫を残すことで高い繁殖効率を実現しています。土松博士はシロイヌナズナにおける自家受精の進化の分子遺伝学的メカニズムを世界に先駆けて解明し、植物における自家受精の進化の理解を大きく推し進めました。特に、自家受精の進化が花粉側因子の機能喪失がきっかけで起こるという発見は、古典的な理論予測を裏付けるものであり、進化生物学の総説や教科書にも数多く取り上げられています。また、同様の進化がアブラナ科のさまざまな種で起こっていることを示し、野生植物で繰り返し起きた適応進化(平行進化)が共通の遺伝的基盤をもつことを明らかにしました。

このように、土松博士は分子生物学の手法を野生植物の研究にいち早く取り入れ、分野の枠を超えた画期的な成果をあげてこられました。土松博士の受賞を心からお祝いするとともに、今後のさらなるご活躍を祈念いたします。

令和2年度文部科学大臣表彰
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_00187.html


(文責:生物科学専攻 教授 川北篤)

 

 

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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