2020/04/21

横山順一教授が令和2年度文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞

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横山順一教授


ビッグバン宇宙国際研究センターの横山順一教授が、「最も一般的なインフレーション宇宙論の研究 」により、東京工業大学の山口昌英教授、立教大学の小林努教授とともに、令和2年文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞されました。おめでとうございます。

宇宙が一点から始まったとするビッグバン宇宙論は、現在の広大な宇宙の大きさを説明できないなどのいくつかの問題を抱えています。この問題の最も広く受け入れられている解決案は、本研究科の佐藤勝彦名誉教授らによって1980年代初頭に提唱された、ビッグバン以前に宇宙が指数関数的に膨張し、幅広い領域で同時にビッグバンが起こったとするインフレーション宇宙論です。これまで様々なインフレーション模型が考案されてきましたが、近年の宇宙観測の精密化により、模型の選別が現実味を帯びてきました。

横山教授らは、数あるインフレーション模型の中で、代表的なクラスである単一場インフレーションがホルンデスキー理論 (基礎方程式が二階微分方程式で書き表される理論) に基づいて統一的に記述できることを発見するとともに、新たな模型の存在を明らかにしました。この成果によって、観測データを系統的に解析する道が切り拓かれ、今後の精密宇宙観測時代において真のインフレーション模型を定め、宇宙開闢の謎に迫ることが期待されます。

横山教授のこのように重要な研究成果に敬意を表すとともにご受賞を心よりお祝い申し上げます。

令和2年度文部科学大臣表彰
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_00187.html


(文責:附属ビッグバン宇宙国際研究センター 助教 鎌田耕平)

 

 

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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