2019/12/10

天文学専攻の藤井通子准教授 が2019年度島津奨励賞を受賞

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藤井通子准教授


天文学専攻の藤井通子准教授が、島津奨励賞を受賞されました。島津奨励賞は、島津科学技術振興財団が科学技術、主として科学計測に関わる領域で、基礎的研究および応用・実用化研究において独創的成果をあげ、かつその研究の発展が期待される研究者を表彰するものです。

藤井准教授は、スーパーコンピュータを駆使した大規模数値シミュレーションを用いて、銀河や星団といった数多くの星が重力によって束縛された天体である「重力多体系」の力学的進化の研究を行ってきました。特に、衝突系と呼ばれる高精度の積分法を必要とする系と、無衝突系と呼ばれる高速な計算が必要な系が混ざり合った系を計算するための新しい積分法を開発し、重力多体系のシミュレーション研究の発展に大きく貢献しました。また、大質量星の一部はrunaway star と呼ばれて高速で運動していることが知られていますが、藤井さんは、星団の中心で形成した連星が周囲の大質量星を星団の外に弾き出すことで、この現象が説明できることを示しました。さらには、渦巻銀河の渦の腕の維持機構を発見したりと、多様な研究を行ってきました。

このように、藤井さんは独自の視点で研究を行い、数々の画期的な成果を挙げて来られました。これらの業績が評価され、今回の受賞となりました。藤井准教授の受賞を心からお祝いするとともに、今後のますますのご活躍を期待しています。

2019年度島津奨励賞
https://www.shimadzu.co.jp/ssf/news/2019/news20191209-2.html


(文責:天文学専攻 教授 戸谷友則)

 

 

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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